私の拙い講義に7割近くの人が「評価できる」と温かい視線を向けていただき感謝しています。西日本新聞社から九州大学に出向するまでに教員経験がないことを考えると、ありがたい結果と言えるかもしれません。ただ、どうしても2割近い「評価できない」とする厳しい意見があることが頭から離れません。私の無力さを痛感しています。「研究者の学説のように論理立てた根拠に乏しい」「内容が薄い」「脱線が多すぎる」「時事ニュースの説明は不要」…。第1回の講義で私の経歴、私が講義に取り組む姿勢、私の手法について説明したつもりでしたが、多くの皆さんに通じていなかったと反省しました。とりわけショックだったのは「一方的で偏った意見がとても多く、物事をみる視点に中立性が欠けている」「講義内容への反論が(出席カードなどで)出しにくい」との意見でした。私は新聞記者なので自分の意見ははっきり言うことにしています。しかし、それを受講生に押しつけるつもりは全くありません。出席カードに書かれた意見や質問は私への反論も含めて紹介したつもりです。いろいろな考えがあっていいと思いますし、私の考えもその中の一つとして、受講生の皆さんが自分で考える素材にしてもらえればと思っていますが、そういう姿勢も十分に理解していただけなかったことに私の力量不足を感じました。ただ私は研究者ではないので、一夜漬けの理論や学説を振り回すことはできません。私にはこれまでの取材経験しかありません。ないないづくしですが、理論だけでは動かない現実の一断面を伝えることはできると思います。そこを伝える力が足りなかったと思います。私が指導するゼミの学生に聞いてみたところ「新聞記事や取材経験など現場の感覚を重視する講義手法に、理論がないと不安になりがちな学生が戸惑っているのではないか」との意見も聞きました。講義手法などガイダンス的な説明は、なぜ分権改革が必要なのかという点も含めて、これまで最初の講義1回で済ましていましたが、前期の出席状況をみると1回目の講義に欠席している受講生が多いことも考え合わせ、今後は中盤でもう1回ガイダンスをしてみようと思います。とはいえ全く同じ内容では毎回出席している受講生からは「同じことの繰り返し」と不満がでるので、工夫してみたいと考えています。「なぜ分権改革が必要なのかも分からなかった」という批判もショックでした。前期講義では分権改革の歴史をたどる中で何度か、その説明をしたつもりでしたが、一段と丁寧な説明をしていこうと考えています。同時に疑問点があれば、講義の後などにすぐ聞けるような雰囲気づくりにも努力したいと思いました。講義の後でも研究室でも私はいつでも対応したいと考えています。最後に「遅刻者への対応が甘い」との指摘についてです。一度、ほとんど2限目間際に来た学生にちょっと注意したことがありました。その受講生から「病院に行っていました」と言われた様子を見ておられた人も多いと思います。私は「しまった。あんなこと言わなければよかった」と反省しました。病院に行っても、それでも少しでも講義を受けに来てくれたとしたら、むしろありがたいと思わなければいけないのではないか。欠席や遅刻にも理由が存在する場合があります。それで就活や実習、病気などの理由があれば欠席届を出してほしいと言いました。それが効果ある対応になったのかどうかは分かりません。遅刻を減らすにはどうしたらいいか、さらに考えていきたいと思います。「遅刻をしてはもったいない」と思わせるほど、すべての人を満足させられる講義ができれば一番良いのでしょうが…。
担当教員所見
私の拙い講義に7割近くの人が「評価できる」と温かい視線を向けていただき感謝しています。西日本新聞社から九州大学に出向するまでに教員経験がないことを考えると、ありがたい結果と言えるかもしれません。ただ、どうしても2割近い「評価できない」とする厳しい意見があることが頭から離れません。私の無力さを痛感しています。「研究者の学説のように論理立てた根拠に乏しい」「内容が薄い」「脱線が多すぎる」「時事ニュースの説明は不要」…。第1回の講義で私の経歴、私が講義に取り組む姿勢、私の手法について説明したつもりでしたが、多くの皆さんに通じていなかったと反省しました。とりわけショックだったのは「一方的で偏った意見がとても多く、物事をみる視点に中立性が欠けている」「講義内容への反論が(出席カードなどで)出しにくい」との意見でした。私は新聞記者なので自分の意見ははっきり言うことにしています。しかし、それを受講生に押しつけるつもりは全くありません。出席カードに書かれた意見や質問は私への反論も含めて紹介したつもりです。いろいろな考えがあっていいと思いますし、私の考えもその中の一つとして、受講生の皆さんが自分で考える素材にしてもらえればと思っていますが、そういう姿勢も十分に理解していただけなかったことに私の力量不足を感じました。ただ私は研究者ではないので、一夜漬けの理論や学説を振り回すことはできません。私にはこれまでの取材経験しかありません。ないないづくしですが、理論だけでは動かない現実の一断面を伝えることはできると思います。そこを伝える力が足りなかったと思います。私が指導するゼミの学生に聞いてみたところ「新聞記事や取材経験など現場の感覚を重視する講義手法に、理論がないと不安になりがちな学生が戸惑っているのではないか」との意見も聞きました。講義手法などガイダンス的な説明は、なぜ分権改革が必要なのかという点も含めて、これまで最初の講義1回で済ましていましたが、前期の出席状況をみると1回目の講義に欠席している受講生が多いことも考え合わせ、今後は中盤でもう1回ガイダンスをしてみようと思います。とはいえ全く同じ内容では毎回出席している受講生からは「同じことの繰り返し」と不満がでるので、工夫してみたいと考えています。「なぜ分権改革が必要なのかも分からなかった」という批判もショックでした。前期講義では分権改革の歴史をたどる中で何度か、その説明をしたつもりでしたが、一段と丁寧な説明をしていこうと考えています。同時に疑問点があれば、講義の後などにすぐ聞けるような雰囲気づくりにも努力したいと思いました。講義の後でも研究室でも私はいつでも対応したいと考えています。最後に「遅刻者への対応が甘い」との指摘についてです。一度、ほとんど2限目間際に来た学生にちょっと注意したことがありました。その受講生から「病院に行っていました」と言われた様子を見ておられた人も多いと思います。私は「しまった。あんなこと言わなければよかった」と反省しました。病院に行っても、それでも少しでも講義を受けに来てくれたとしたら、むしろありがたいと思わなければいけないのではないか。欠席や遅刻にも理由が存在する場合があります。それで就活や実習、病気などの理由があれば欠席届を出してほしいと言いました。それが効果ある対応になったのかどうかは分かりません。遅刻を減らすにはどうしたらいいか、さらに考えていきたいと思います。「遅刻をしてはもったいない」と思わせるほど、すべての人を満足させられる講義ができれば一番良いのでしょうが…。