政治史演習

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
政治史演習
標準年次
3・4
講義題目
ホロコーストといった重いテーマについて、 1年間議論していけるほどの関心と熱意のある方。
開講学期
通 年
担当教員
熊野 直樹
単位数
4単位
教  室
研究室
科目区分
展開科目
履修条件
 本演習の目的は、 以下の4点です。
  1. 政治史関係の学術論文の読み方を習得する。
  2. 政治史を解釈する際に必要な用語や概念を十分に理解し把握する。
  3. 自分の考えを的確かつ論理的に相手に伝えるようになる。
  4. ゼミ論文の執筆を通じて、 調査能力と論文作成能力を育成・発展させる。
授業の目的
 演習テーマ: 「ホロコーストとナチズム」
 現在、 日本においてホロコーストに関して、 かなりホットな論争が展開中です。 そこでの主要な論点の一つが、 ヒトラーが何時ホロコーストを命じたのか、 というものです。 この問題は、 長年、 ドイツ現代史研究上の主要な論争テーマとなっていましたが、 現在の争点は、 1941年の何月か、 というものに収斂してきています。 或る論者は、 1941年8月説をとり、 或る論者は、 1941年10月説を主張しています。 そこで、 本演習では、 この論争の当事者たちの論文を実際に読み進めていきます。 以上を通じて、 ホロコーストの実態について、 現段階における日本における実証研究の到達点を確認するともに、 学術上における論争のマナーと議論の作法をも学んでいきたいと考えています。
 具体的な授業計画ですが、 まず、 ホロコーストに関するスタンダードといえる研究論文を読み、 基礎的知識を習得します。 その後で、 論争の具体的な展開を、 当事者たちの研究論文を読みながら、 追っていきます。 その際、 論点整理と史料批判の方法についても検討していく予定です。
【授業計画】
 1. ホロコーストに関する基礎的知識の把握
 2. 栗原説の検討
 3. 学界における栗原説批判の整理・検討 (以上、 前学期)
 4. 栗原氏の反論 (以下、 後学期)
 5. 永岑説の検討
 6. ゼミ論文構想発表会 (後学期に2回開催予定)
   ゼミ論文合評会を兼ねたゼミ旅行 (年度末)
授業の概要・計画
 毎回、 報告者1人ならびにコメンテーター1人を定めて、 テキストに関する報告者のコメントを中心に参加者全員が議論を行っていきます。
授業の進め方
 毎回、 報告者1人ならびにコメンテーター1人を定めて、 テキストに関する報告者のコメントを中心に参加者全員が議論を行っていきます。
教科書・参考書等
 石田勇治 「人種主義・戦争・ホロコースト」 『世界歴史24 解放の光と影』 岩波書店、 1998年。
 栗原優 『ナチズムとユダヤ人絶滅政策』 ミネルヴァ書房、 1997年 (本体4000円)。
永岑三千輝 『ホロコーストの力学』 青木書店、 2003年 (本体4300円)。
  *栗原氏と永岑氏の著書は、 テキストとして必ず使用しますので、 各自購入してもらうことになります。
成績評価の方法・基準
 平素ならびにゼミ論文
 夏休みにレポートを課します。
その他(質問・相談方法等)
 本演習は、 少人数ゼミをモットーとしており、 定員は最大8名です。 後学期は、 ゼミ論文の作成にも力を入れて取り組むために、 ゼミ論文構想発表会を2回予定 (後学期) しています。
 年度末には、 ゼミ論文合評会を兼ねたゼミ旅行を予定しています (00年度板東俘虜収容所、 01年度出雲大社、 02年度知覧飛行場跡地、 03年度別府温泉を予定)。
 なお、 ゼミ生の修学上の相談役として、 ティーチング・アシスタントも参加する予定です。
過去の授業評価アンケート