法動態学

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
法動態学
標準年次
3・4
講義題目
なし。
開講学期
前 期
担当教員
仁木恒夫 (大阪大学助教授)
単位数
4単位
教  室
202(8/17〜8/19),301(9/8〜9/10)
科目区分
展開科目
履修条件
履修条件は特にありませんが、特定の教科書に基づいた講義ではないことと、講義内容であちこちがつながっていることから、全体を聴いていただけないと理解が難しいかもしれません。
授業の目的
 ポスト司法改革の法化社会において、われわれは法や制度や法律家になにを期待すべきなのでしょうか。そしてまた、われわれは法や制度や法律家とどのように向き合うべきなのでしょうか。本授業では、このような問題意識から、法や制度や法律家に関するこれまでの理論的枠組を、「法の現場」につき合わせて批判的に吟味し、現代的な法のあり方について理解を深めていきます。受講者には、講義を通して常に司法改革のあり方を意識して欲しいです。
授業の概要・計画
 本講義担当者の基本的な立場として、等身大の紛争当事者を中心にした法や法制度、法専門職のあり方を考えていきます。とくに、現場感覚を失わないためにも、経験的資料を適宜参照しながら講義をおこなうことを予定しています。
講義は全3部構成で組み立てております。第1部では、先行研究を手がかりに、動態的な法への視角を設定した上で、わが国の法と社会の関係についての現状分析をおこないます。第2部では、弁護士、裁判官、司法書士について個別的に検討をおこないながら、従来の法専門職システムが全体としてゆらぎをみせていることを概観します。第3部では、訴訟機能論および手続過程論をふまえたうえで、当事者を前面にたてた紛争処理フォーラムとしての裁判の可能性を模索します。

第1部 紛争/秩序の動態理論
 第1章 「紛争」概念をめぐって
 第2章 日本社会の法化戦略
第2部 法専門職の臨界
 第1章 弁護士論
 第2章 裁判官論
 第3章 司法書士論
第3部 訴訟機能と手続過程
 第1章 訴訟機能論
 第2章 手続過程論
 第3章 紛争フォーラム試論〜新たなモデルへ向けて
授業の進め方
 講義を中心にすすめますが、適宜、ビデオ教材も活用する予定です。
教科書・参考書等
 本講義では特定の教科書を指定いたしません。個別のテーマに沿った参考図書は講義の中で言及します。全体の参考図書としてはさしあたり次のものを参照してください。
@和田=太田=阿部編『交渉と紛争処理』(日本評論社、2002年)
A和田仁孝『民事紛争処理論』(信山社、1994年)
成績評価の方法・基準
 試験によります。
その他(質問・相談方法等)
 
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