@ 授業の概要 経済や企業活動のグローバル化は、 日本の雇用・労働の実態に深刻な影響を及ぼしている。 企業組織の世界規模での再編統合の中で、 国内では企業の空洞化や流動化といった現象が生じており、 労働契約を中心とする労働法の規制枠組みに動揺が生じている。 また、 かつて日本的雇用慣行と理解されていたもの (終身雇用、 年功賃金制など) の多くは、 世界規模の企業活動のもとではとうてい維持することができず、 すでに構造改革が進行中である。 私たちが直面している新規学卒者の就職問題、 あるいは雇用の多様化や失業問題の多くは、 経済の世界規模化と結びついているのである。 労働法はそれ自体としては国内法である以上、 本来グローバリゼーションに対処する力量を十分に備えていない。 しかし、 労働法の 「規制改革」、 あるいは国境を超えた 「国際労働法」 の進展、 さらには法的規制という枠組みを超えた規制手段の模索により、 新しい視点からの労働の規制が、 世界規模で進展している。 平成16年度のゼミでは、 以上のように、 経済のグローバリゼーションが雇用労働問題に及ぼす諸問題と、 それに対する困難な挑戦について、 広い視野から情報を得て勉強していきたい。 A 授業計画 4月〜5月の期間は、 問題意識の共有のために、 野田の講義形式の授業、 関連図書・文献の講読や書評などを行う。 6月〜10月の期間は、 共通テーマの問題体系の中で、 参加者は自分に興味のある文献を指定して、 内容紹介や批評を中心とする報告を行う。 10月以降の後期の期間には、 みずから設定したテーマにしたがい、 テーマの絞り込み、 文献や資料検索、 論文の構成、 論理の展開や主張の肉付けなどの作業に取り組み、 中間報告を行ってゼミ論の完成に努める。 これらの作業においては、 野田と TA が、 技術面での指導を行う。 また、 できるだけ早く合宿研修の機会ももつこととする。 |