労働法

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
労働法
標準年次
3・4
講義題目
労働法
開講学期
前 期
担当教員
野田 進
単位数
4単位
教  室
201
科目区分
基盤科目
履修条件
 特になし。
授業の目的
 いま労働法を学ぶことの必要性を、多く語るまでもないでしょう。
 厳しい雇用情勢、若年者の失業率の高さ、雇用制度の変容、雇用形態や働く意識の多様化など、働くことをめぐる環境の変化は、いくつもの法的な諸問題を突きつけています。法学部に入ったあなたが、これに目をつぶって、社会に飛び出すことができるでしょうか?
 授業では、具体的な労働紛争についてどのような法的な解決をもたらすかという、実践的な課題を中心に考えていきます。それらを学ぶことを通じて、やがて労働法の発想や理念を理解してもらうというのが目論見です。
 したがって、この授業の目的は、受講者が労働法の諸問題の基本的な解決能力を身につけること、そのために必要な知的なツールと思考力を体得することにあります。
授業の概要・計画
@授業概要
 とはいっても、突飛なことをするつもりはありません。
 教科書として掲げている 『労働法の世界(第5版)』 という本は、自慢ではありませんが(実は自慢ですが)、初版以来ハイペースで版を重ねてきたなかなか評判のよい本です(2003年2月に第5版が出版され、2004年は改訂期ではないので、法改正など新しい情報を別刷りで本に綴じ込んでいます。)この本のコンセプト自体が、「はしがき」を読んでいただいたらわかるように、理論を理論として勉強するのではなく、問題解決の能力を高めることを目的として書かれています。さしあたりは、この教科書を基本に授業を行います。
 しかし、教科書だけでは、労働紛争の現実や実践的な理論を理解するには不十分です。実際に、判例や資料を読み込んでほしい。特に労働法において判例は重要です。日本の労働法は、実定法としては内容が乏しく、法の現実の機能を知るためには、判例や行政通達を把握する必要があります。授業では、これらの資料を毎回配布して理解を深めてもらいます。 
A授業計画
 教科書は、全部で26章構成ですから、理想を言えば、26回の授業で1章ずつ進め、全部を制覇したいと思います。
 しかし、授業進行を急ぎすぎるという意見もあるようですから、今年度こそ各章の重要問題に力点を置き、できるだけメリハリをつけたいと考えています。
 学ぶべき課題はたくさんあります。それも常に流動的です。広く社会の現実を見据えながら、最新の労働法へ、皆さんの関心を深めてください。
授業の進め方
 授業では必ず予習を…といっても、実際には難しいでしょう。ですから、まずは授業時間にきちんと参加してじっくり話を聞いてほしい。ぼんやり聞くのではなく、みなさん一人一人が、労働法の諸問題の解決能力を身につけるという目標をもって、実際に法典を読み、資料に目を通し、概念を理解してください。単なる聴衆にならないでくださいね。
教科書・参考書等
 中窪裕也・野田 進・和田 肇著『労働法の世界(第5版)』(2003年、有斐閣)
成績評価の方法・基準
 試験では、配布資料の持ち込みを認めます。
 資料を参考にしながら、事例問題により問題解決能力をプレゼンしてください。
その他(質問・相談方法等)
過去の授業評価アンケート