刑事政策

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
刑事政策
標準年次
3・4
講義題目
刑事政策
開講学期
前 期
担当教員
土井 政和
単位数
4単位
教  室
101
科目区分
展開科目
履修条件
 特になし。刑法、刑事訴訟法、少年法を合わせて受講することが望ましい。
授業の目的
1. 犯罪や非行の発生原因について多角的な分析ができるようにする。
2. 犯罪や刑事制裁の現状について正確な認識がもてるようにする。
3. 刑事政策と治安政策、福祉政策、教育政策など他の諸政策との関わりを理解し、
  刑事政策と行為者の人権保障との調和について考えることができるようにする。
4. 犯罪被害者と行為者および社会との相互関係を展望的に形成する思考を身につける。
3. 授業の概要・計画
授業の概要・計画
@授業の概要
1. 始めに犯罪の原因やその学説についてアメリカ犯罪学を中心に説明する。しかし、時間の関係上、講義は、犯罪や非行が生じた後の処理の在り方や犯罪対策に重点が置かれる。統制機関の活動と犯罪統計にも言及する。
2. 死刑、自由刑、罰金刑など責任非難に基づく刑罰制度、将来の危険性に対する保安処分、さらには少年に対する保護処分など、さまざまな刑事制裁およびその類似の制度について現状を分析し、理論的な検討を行う。
3. 刑務所制度の歴史、現状、課題を外国の制度と比較しながら分析し、受刑者の権利義務について検討するとともに社会復帰を援助する方策を探る。
4. 犯罪や非行の行為者に対する社会内での保護観察や援助制度について現状を分析し、問題点と課題を明らかにする。とくに、市民の刑事司法への関わりについて検討する。
5. 少年非行の実態を分析し、また、成人に対する刑事司法と少年司法の違いを明らかにする。
6. 犯罪の被害者に対する支援と犯罪者の社会復帰援助の相互の関係を広い社会関係の中で分析し、行為者・被害者・社会について展望的視点を提示する。
7. 刑事政策、福祉政策、教育政策、治安政策など国家の行う諸政策の相互関係と刑事司法への市民の自立的関与、ネットワーク形成について検討する。
A授業計画
 1. 刑事政策の概念と方法  15. 同上(その四)
 2. ビデオ「閉ざされた過去への叫び」 16. 同上(その五)
 3. 犯罪と非行の理論(その一) 17. 同上(その六、ビデオ更生保護)
 4. 同上(その二) 18. 社会内処遇(その一)
 5. 同上(その三) 19. 同上(その二)
 6. 犯罪の動向と統制の現状  20. 同上(その三)
 7. 刑罰の歴史と理論  21. 少年非行の動向と青少年対策
 8. 死刑(ビデオ「真夜中の死刑執行」) 22. 少年法(ビデオ:非行事実なし)
 9. 死刑の存廃論  23. 少年法の理念と構造
 10. 自由刑  24. 犯罪被害者と刑事政策
 11. 財産刑  25. ビデオ:少年が被害者と向き合うとき
 12. ビデオ「拘禁施設における拷問」 26. 修復的司法
 12. 施設内処遇(その一) 27. 刑事政策と福祉政策
 13. 同上(その二) 28. 刑事政策の課題と展望
 14. 同上(その三)
授業の進め方
 1. 講義形式ですすめる。時々ビデオを視聴し、その中で提起されている論点を論じ合ったり、また感想文   を提出してもらうこともある。
2. 教科書の該当個所は事前に読んでおくこと。
3. 講義のレジュメおよび必要な資料は適宜配布する。
5. 教科書及び参考図書等
教科書・参考書等
 1. 教科書
 石原明・藤岡一郎・土井政和・荒川雅行 『現代刑事政策』 青林書 院(2000)
 2. 参考書
 刑事立法研究会編 『21世紀の刑事施設』 日本評論社(2003)
 服部朗・佐々木光明 『ハンドブック少年法』 明石書店(2000)
 『犯罪白書』
 その他は講義の中で適宜指示する。
成績評価の方法・基準
1. 論述式の筆記試験を定期試験時に行う。
2. 成績は筆記試験と小レポート(ビデオの論点整理や感想文を含む)を総合的に評価する。
その他(質問・相談方法等)
 なし。
過去の授業評価アンケート