法政基礎演習 I

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
法政基礎演習 I
標準年次
1
講義題目
政治とデモクラシーの「古典」を読む
開講学期
前 期
担当教員
木村 俊道
単位数
2単位
教  室
403
科目区分
入門科目
履修条件
 
授業の目的
 大学の「演習」は、教科書や参考書に頼らず、自分の頭で「ものを考える」訓練を行う場である。また、本演習では、初学者向けの「入門」ゼミとして、以後の学習において不可欠となる、基礎的な「教養」と学問的な「スキル」の修得をともに目ざす。
 単にマニュアル的な知識を増やすのではなく、政治学・法学の観点から、現代社会の隠された問題を見つけ出し、必要な情報や資料を集め、独自の観点から整理・分析し、それらを論理立てて発表・討論すること。また、これらの「学問」的な能力を発揮するための幅広い「教養」を身につけること。本演習が目指すのは、そのための基礎訓練である。
授業の概要・計画
 本演習では、以上の目的を果たすための第一歩として、政治学・法学の「古典」を通読する。
 テクストには、マキアヴェリ 『君主論』、およびJ・J・ルソー 『社会契約論』 を用いる。
 前者は、いわゆる「権力政治」の現実を鋭く描き、近代政治学の嚆矢となった書物として、後者はフランス革命や日本国憲法の理論的基礎となった「人民主権」論の知的源泉として、それぞれ、現代社会における「政治」と「デモクラシー」を論じる際に不可欠な、不朽の名作である。
 本演習では、以上のテクストを実際に読破しながら、「政治が目指すべき目的とは何か」「政治家に求められる資質は何か」、あるいは「デモクラシーを正当化する理論的根拠は何か」「デモクラシーを正しく運営するために必要な条件は何か」といった問題を原理的に考える。
授業の進め方
 本演習では毎回、報告者と問題提起者を1名ずつ指名する。演習の進行は、各担当者による報告と問題提起、および、それらを踏まえた全員参加の討論を基本とする。
報告者にはテクストの担当部分の内容を整理し、レジメに簡潔にまとめ、分かり易く発表することが求められる。また、問題提起者は、テクストの内容を踏まえた上で、以後の討論の焦点となるべき論点を見つけ出し、それを提示することが必要である。
 なお、本演習は「入門」ゼミであるため、レジメの作り方、論点の発見の仕方、資料の集め方、討論の進め方など、学問的な基礎技術の修得にも十分な配慮を払いたい。
教科書・参考書等
 マキアヴェリ 『君主論』 池田廉訳、中公文庫、2002年
 J・J・ルソー 『社会契約論』 桑原武夫他訳、岩波文庫、1957年
成績評価の方法・基準
 平素および学期末のレポートによる。
その他(質問・相談方法等)
 
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