法律学は一通り学んではじめて、個々の条文や論点の意義が理解でき、面白くなるものだと思います。けれど、「一通り」勉強するには何年もかかり、その間「面白く」ない、ただ覚えるだけの勉強を続けることになってしまうかもしれません。そこで、本講義ではいくつかの法典のうち実体法に属するものに焦点をあてて、大雑把ではありますが、「一通り」の知識を提供します。 まず、大学で特に法律学を学ぶことの意義を考えます。次に法律学の広がりと複雑さを学ぶため、具体例にそって各法の枠組みについてお話しし、あわせて基本的な法律用語を紹介します。 さらに、憲法典および民法典成立にいたる歴史についてお話しし、それぞれの法典の基本的な性格や限界を示したいと思います。
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