履修条件 |
国際公法や労働法をすでに履修していると本講義が理解しやすくなるが、履修条件ではない |
授業の目的 |
一口で言えば、国際経済の動きを律する法が何であり、それがどのように機能するかを解明するのが目的である。ダンピングやセーフガードに関する紛争が連日新聞で報道され、一方では世銀・IMF・WTO の会議があるたびにデモが起こり混乱する。講義を聞いた学生は何がこれらの紛争をもたらし、そのことをどのように理解したら良いかの手がかりをつかみとることができる。また、国際組織法の手法を用いて国際経済法現象を分析するという方法論を用いるため、国際公法のうち組織法の部分についての知識が豊かになる。 |
授業の概要・計画 |
講義の前半では、国際経済法の概念を定義した上で、国際経済現象を大きくブレトン・ウッズ体制と国連体制に分け、それぞれの仕組みを解説する。後半では、国際経済法の一部である国際社会法を、主として ILO の基準設定・監視活動を概観することにより解説する。 (1)国際経済法の定義(文献紹介) (2)第2次世界大戦前の国際経済体制 行政連合・機能主義・関税同盟・国際連盟) (3)国際金融協力と自由貿易(ブレトンウッズ会議・比較優位原則・ハバナ会議) (4)ブレトンウッズ機構1 IMF(加重投票制・コンディショナリティー) (5)ブレトンウッズ機構2 世界銀行(復興と開発・グループ) (6)GATT/WTO(基本原則と例外・国際貿易法の生成) (7)紛争解決手続(手続・法的意義) (8)いくつかの実例 (9)国連体制 1 規範設定活動 その1(経済社会理事会・決議の法的意義) (10)国連体制 2 規範設定活動 その2(UNCTAD・NIEO・その後) (11)国連体制 3 業務的活動(技術援助から協力へ・UNDP) (12)国連体制 4 専門機関 (13)OECD その他の国際的な経済関係の組織 (14)国際労働法 ILO の歴史 (15)ILO の三者構成 (16)国際労働基準 (17)基本的労働権 (18)実施の監視 その1 通常監視手続 (19)実施の監視 その2 特別手続 (20)社会条項論 (21)経済発展と社会発展 (22)国際経済社会法の理念
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授業の進め方 |
受講生が多い場合は基本的に講義形式 |
教科書・参考書等 |
「国際経済法」(有斐閣)中川、清水、平、間宮著、2003年 条約集(有斐閣、三省堂、東信堂いずれでも可)
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成績評価の方法・基準 |
期末筆記試験 |
その他(質問・相談方法等) |
隔年開講とするため、来年(平成17年度)は授業を行いません。 |
過去の授業評価アンケート |
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