外国政治書購読(英語)

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
外国政治書購読(英語)
標準年次
2・3・4
講義題目
英語政治書講読(現代における寛容論)
開講学期
後 期
担当教員
朝倉 拓朗
単位数
2単位
教  室
206
科目区分
基盤科目
履修条件
 特にありません。
授業の目的
・英語による政治学の文献を読む能力を養います。
・マイケル・ウォルツァー著 『寛容論』 の講読を通じて、他者を寛容するとはいかなることか、また、寛容を実現するための政治的条件、制度はどのようなものか、ということについて考察します。
・欧米における寛容の議論の前提となる、歴史的、政治的背景に関する知識を身につけます。
授業の概要・計画
【授業の概要】
 異なった宗教あるいは文化の間に起こる摩擦や衝突は、最悪の場合には戦争やテロリズムへと発展します。このような衝突を回避し、政治的秩序を維持しようとする態度の一つとして、他者の宗教や文化を寛容するという生き方があります。しかし、何かを寛容するということは、同時に寛容できないものは何かということについて問い直すことでもあります。国際化や価値の多元化が進む現代の日本おいて、我々は寛容について真剣に考察すべき時代にいると言えるでしょう。その際に、一人のユダヤ系アメリカ人として、自らが寛容の対象であり、同時に寛容の主体であると自覚する著者の考察は、我々にとっても重要な導きとなると考えます。
 
【授業の計画】
(第1回)イントロダクション、次回担当者の決定
(第2回以降)参加者の理解度によって一回ごとの進捗は調整します。はじめはゆっくり進み、確実な理解を図ります。その後、徐々にスピードをつけて読んでいきます。具体的な授業の手順については、「授業の進め方」を参照して下さい。
授業の進め方
 授業は以下の手順で進めます。
@担当者による報告
 担当者は、自分が担当する範囲について、その概要をまとめたレジュメを作成し、テキストの内容を報告する。邦訳上、内容上の疑問点は、その都度取り上げて解説する。
 
A参加者全員による討論
 内容的に区切りがついたところで、参加者全員による討論を適宜行う。テーマは、著者の主張に対する評価、あるいは著者の見解をふまえた参加者自身の見解などについてである。

 以上が授業の大まかな手順ですが、テキストの内容の理解、および活発な討論のためには、報告担当者以外の参加者も、十分な予習を行っていることが必須の前提となります。
教科書・参考書等
 【教科書】Michael Walzer, On Toleration, Yale University Press, 1997.
テキストはコピーを配布しますが、本書はペーパーバック版で10ドル程度なので、意欲のある方は、ぜひ購入してください。
参考図書】ジョン・ロック「寛容についての書簡」、『世界の名著32 ロック・ヒューム』(中央公論社、1980年)所収。
成績評価の方法・基準
 試験は行いません。出席、報告の内容、議論への参加の積極性などを基に総合的に評価します。
その他(質問・相談方法等)
 質問は e-mail で随時受け付けます。直接質問する場合は、電話、e-mail 等で連絡を取った上で研究室に来て下さい。連絡先は下記の通りです。
      e-mail:@law.kyushu-u.ac.jpの前にasakuraを付加
      研究室:法学部第10研究室 電話:0926423227(内線:3227)
過去の授業評価アンケート