法継受と衝突

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
法継受と衝突
標準年次
3・4
講義題目
日独における損害賠償法の継受と比較
開講学期
前 期
担当教員
ハーガー/河野/五十君/角松 ヨハネス/俊行/麻里子/生史
単位数
2単位
教  室
終了
科目区分
展開科目
履修条件
本講義は、基本的に大学院レベルの内容ですが、高い参加意欲とドイツ法に対する強い関心を持った学部学生の参加も歓迎します。ただし、日本の損害賠償法(債権各論)に関する基礎知識を有することが前提です。ドイツ語の能力は必ずしも必要としません。
授業の目的
 経済のグローバル化と国際的人的移動の拡大に伴い、国際的・国内的に「多文化社会」と呼ばれる現象が進展し、その中における法の役割が問われています。
 この講義では、多文化社会における法の機能・任務を検討するために、近代化の過程において日本が大規模に経験し、現在においても行われ続けている西洋法の「継受」の意味を、具体的な法分野に則して考えます。
授業の概要・計画
現行日本民法は西洋各国(フランス・ドイツ・英国)の民法を詳細に参照した上で起草されたものです。ドイツ・日本両国の民法典にさまざまな重要な相違があるにもかかわらず、ある時期までの民法学の理論において、ドイツ法の影響力は非常に強いものがありました。このような状況は、さまざまなレベルの緊張関係を生み出しています。具体的法分野に則して両国の制度と理論を比較すること
は、(1)ドイツ−日本における法制度・法文化の相違がもたらすさまざまな緊張関係に加え、(2)法典と理論との緊張関係を見て取ることができるのです。「法継受と衝突」の問題を分析する上で適切な素材だと考えられます。
 この講義の中心をなすのは、ハーガー教授(ミュンヘン大学法学部)によるドイツ損害賠償法に関する連続講演(5月第二週)と議論です。その前後に、学部学生に対しては、九大教員による予備知識の提供(必要な場合)および総括討論を行います。(詳細なスケジュールは別途ご案内します)。九州大学側では、法制史(五十君)・私法(河野)・公法(角松)が参加し、さまざまな側面からの「継受と衝突」を分析します。
授業の進め方
 予備知識の提供及びハーガー教授の連続講演の部分は講義形式で進めます。講演及び質疑応答は適宜通訳します。九大教員主催の総括討論では、大学院生の参加者には報告していただきますが、学部学生は聴講とします。
教科書・参考書等
予習課題が必要な場合は配布します。
成績評価の方法・基準
平常点に加え、感想レポートを書いていただきます。
その他(質問・相談方法等)
予備知識の提供の必要の有無の確認及び日程調整のため、参加を検討される方は、原則として4月11日までに角松(kado<アットマーク>law.kyushu-u.ac.jp)までご連絡ください。
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