履修条件 |
ナチズムと近代といったテーマについて、長時間議論していけるほどの関心と熱意のある方。 |
授業の目的 |
本演習の目的は、以下の4点です。 1.政治史関係の学術論文の読み方を習得する。 2.政治史を解釈する際に必要な政治用語や分析概念を十分に理解し、把握する。 3.自分の考えを的確かつ論理的に相手に伝えるようになる。 4.ゼミ論文の執筆を通して、調査能力と論文作成能力を育成・発展させる。 |
授業の概要・計画 |
演習テーマ:「ナチズムと近代」 今年2004年、ナチズムと近代との関係をめぐって、新たな論争が日本において進行中です。ナチズムをもっぱら近代の矛盾として捉える見解と近代だけでなく、その前近代性をも重視すべきという見解との対立です。その背後には、近代なるものをいかに捉えるかといった価値認識の問題が控えています。そこで、本演習では、ナチズムとは何か、近代とは何か、といった問題意識のもと、この論争の当事者たちの論文を実際に読み進めて行きます。以上を通して、ナチズム研究の最先端の議論とその成果を吸収するとともに、学術上における論争のマナーと議論の作法をも学んでいきたいと思います。 具体的には、まず、ナチズムの近代性について書かれた啓蒙書を読み、その後、ナチズムと近代について書かれた最近の研究論文集を読み、当該分野に関する専門的知識を習得します。その後で、論争の具体的な展開を、当事者たちの研究論文を読みながら、追っていきます。その際、論争整理と方法論の問題についても検討していく予定です。
【授業計画】 1.「ナチズムと近代」に関する基礎的知識の把握 2.「ナチズムと近代」に関する専門的知識の把握 3.論争の検証 4.ゼミ論文構想発表会(後学期に2回開催予定) ゼミ論文合評会を兼ねたゼミ旅行(年度末) |
授業の進め方 |
毎回、報告者1名ならびにコメンテーター1名を定めて、テキストに関する報告者のコメントを中心に参加者全員が議論を行っていきます。 |
教科書・参考書等 |
ロバート・N・プロクター(宮崎尊訳)『健康帝国ナチス』草思社、2003年。 川越修・矢野久編『ナチズムのなかの20世紀』柏書房、2002年。 「特集『ナチズムと近代』再考」『歴史評論』645号、2004年ほか。
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成績評価の方法・基準 |
平素ならびにゼミ論文 夏休みにレポートを課します。 |
その他(質問・相談方法等) |
本演習は、少人数ゼミをモットーとしており、定員は最大8名です。後学期は、ゼミ論文の作成にも力を入れて取り組むために、ゼミ論文構想発表会を2回予定(後学期)しています。 年度末には、ゼミ論文合評会を兼ねたゼミ旅行を予定しています(00年度板東俘虜収容所、01年度出雲大社、02年度知覧飛行場跡地、03年度別府温泉、04年度未定〈現段階では沖縄が有力〉)。 なお、ゼミ生の修学上の相談役として、ティーチング・アシスタントも参加する予定です。04年度は3名が参加しています。 |
過去の授業評価アンケート |
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