行政法1(行政過程論)

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
行政法1(行政過程論)
標準年次
2
講義題目
行政過程論
開講学期
後 期
担当教員
木佐 茂男
単位数
4単位
教  室
大講
科目区分
基盤科目
履修条件
受講にあたっての必須要件はない。ただ、毎回きちっと出席すること。
授業の目的
通常、行政法総論あるいは行政法第1部とも称される行政法の序論的・入門的な知識・考え方の修得を目的とする。
授業の概要・計画
 行政過程論(行政法総論)の中で講義すべき内容は年々増加している。そのため、網羅的に詳細な講義をすること、とりわけ判例や実例を多数挙げてゆっくり丁寧に講義するだけの時間的余裕はない。
 使用テキストにもよるが、あまり重要でないことは、テキストの該当個所の指示で済ませ、一歩突っ込んだ、しかし、基礎的で重要なことに焦点を当てて話したい。
 単に、行政法の一般的な理論の抽象的な解説にとどまらず、具体的な事件、著名事件の現場のスライドを見たり、判決の表面的な結論の背後にある実際の帰結をも話すことによって、行政法理論と日本社会の現実との関わりも考えることにしたい。徹底してリアリティのあるものにしたいと思っている。
 講義すべき内容が、講義時間に比して多いので、全体を深く論ずることはできないが、講義できない部分を自分の頭で考えることができるようになればいいと願っている。

 テキストを採用した以上、受講者の便宜のために、なるべくテキストに沿った展開をすべきと考えている。
 従来の行政法学の枠組みからあまり離れることは(各種受験対策上も)好ましくないので、多少は伝統的な体系を考慮しながら講義をすることになる。
 しかし、他方で、伝統的行政法学の教育内容にとらわれると、日常生活で重要な行政(法)現象をつかまえることがおろそかになったり、滅多に起きない古い事件の判例を素材にして議論をしたりすることになるので、多少は、「市民生活で役に立つ」行政法の講義にしたい。そのため、受講生には経済的に迷惑をかけるが、2つのテキストを用い、アプローチの違いや、伝統的体系と実生活(実務)志向の違いを知ってほしいと思っている。
 下記のテキストのうち、講義開始前に、木佐編『自治体法務入門〔第2版〕』は、すぐに通読することができよう。自治体の行政を中心としているが、4コマ・マンガ25点も付いていて、行政の現実を踏まえているので読みやすいだろう。
授業の進め方
 あまり奇抜な講義方法を採るわけにもいかないので、教科書を指定し、重要な項目についてやや詳しく触れる。また、講義全体を通じて、パワーポイントを使用して分かりやすくしたいと思っている。各種資料も用いるが、印刷配布する予定である。
教科書・参考書等
 使用テキスト:木佐茂男編『自治体法務入門〔第2版〕』(ぎょうせい、2000年)及び、原田尚彦『行政法要論〔全訂第5版〕』(学陽書房、2004年)。

参考図書:大橋洋一『行政法:現代行政過程論〔第2版〕』(有斐間、2004年)、『行政判例百選〔第4版〕T・U』(有斐閣、1999年)、『行政法の争点〔第3版〕』(有斐閣、2004年)
成績評価の方法・基準
 講義内容の範囲について、筆記試験を行う。
その他(質問・相談方法等)
 毎回、出席カードの提出を求めるが、そこには、講義の感想、講義をきっかけに考えていること、講義・その他について意見や苦情、何でも書いて欲しい。最後には受講生ごとにまとめ、その枚数や書かれているコメントの内容により、試験の採点時にボーダーラインの者の合否の参考にすることがある。講義時間の制約があるため、質問やコメントに対しては、担当者のホームページ上で回答するよう努める。
過去の授業評価アンケート