国際知的財産法特殊講義

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
国際知的財産法特殊講義
標準年次
2・3・4
講義題目
知的財産法への眼差し
開講学期
後 期
担当教員
小島 立
単位数
2単位
教  室
中講
科目区分
展開科目
履修条件
 積極性溢れる受講者の参加を希望します。民法(財産法)や民事訴訟法等の基礎的な知識があれば,本講義を理解する上で役立つと思いますが,これらの科目を履修していることが必要条件ではありません。
授業の目的
 新聞やテレビ等のマスメディアにおいて,特許や著作権といった知的財産法に関する話題が取り上げられない日は無いといっても過言ではありません。その際,何億円,何十億円の賠償額という,一見した事象の華やかさに目を奪われがちですが,事件の背後に潜む問題状況や前提条件,当事者間の関係,そして広く社会構造等に対する冷静な目配りを行うことが求められています。
 知的財産法は,それ自体として自己完結するものではなく,隣接法領域(憲法,民法,刑法,商法,民事手続法,行政法,労働法,独禁法,租税法,国際法,国際私法など)や,隣接諸科学(自然科学はもとより,経済学,社会学,美学芸術学,技術哲学,記号論など)との相互連関の上に,はじめて成り立つものです。また,知的財産法は,経済社会の最先端で機能するビジネスローの一翼を担っており,未解決かつ高度な理論的問題の宝庫でもあります。これらの諸問題に触れることを通じて,受講生の皆さんの創造性を高め,法に対する見方を立体的なものとし,引いては憲法,民法,刑法といった六法をはじめとする基本的な科目へのフィードバックをはかることも,本講義の目標とするところです。
授業の概要・計画
 本講義では主として,隣接法領域(例えば,憲法,民法,労働法,独禁法,国際私法)との接点を有する知的財産法の裁判例を取り上げ,それらの分析を行います。加えて,新聞報道などをベースに,現代的なトピックの解説や,知的財産法と関連のある書籍の紹介なども交えていきたいと考えています。
授業の進め方
 毎週,原則として1〜2件の裁判例を事前に読んできていただき,それを前提に分析を行います。受講人数にもよりますが,受講生の皆さんにも積極的に発言していただき,双方向の授業となるようにしたいと思っています。また,英語で書かれた裁判例を読むことも考えています(その際に必要とされる前提知識等については,予め講義中に説明を致します)。
 質問は大歓迎です。講義の前後はもちろんですが,オフィスアワーを設けるつもりですので,積極的に質問にいらして下さい。オフィスアワーの時間帯については,授業中にお知らせします。
教科書・参考書等
 開講前に,中山信弘『マルチメディアと著作権』(岩波新書(赤426),1996年)を読んでおいて下さい。その他の参考書や論文等については,講義の中で追って指示致します。
成績評価の方法・基準
 定期試験は行いません。講義への出席,提出されたレポートに基づいて成績評価を行います。レポートの執筆要領については,講義の中で追って指示します。
 配付資料の関係上,受講を希望する方は,通常の履修登録とは別に学生掛で登録を行って下さい。
 2005年6月28日追記: 10月末までに提出していただく課題について告知しました。掲示板,もしくは法学部ウェブサイトの「お知らせ」をご覧下さい。
その他(質問・相談方法等)
 民法(財産法)や民事訴訟法等の履修を終えていない場合であっても,本講義にチャレンジすることで,翻って六法をはじめとした基本的な科目へのフィードバックにも資すると思います。授業の内容は若干ハードかもしれませんが,積極性溢れる2年生の参加は大歓迎です。
 授業内容等に関して不明な点があれば,予め小島までお尋ね下さい。
 2005年10月1日追記: 第1回目の授業は,10月12日(水)の3・4限ですが,それに先立ち,10月5日(水)の3限にガイダンスを行ないます。その旨を「お知らせ」の欄でも告知していますので,ご覧下さい。
過去の授業評価アンケート