履修条件 |
特になし |
授業の目的 |
「似て非なる国」・「近くて遠い国」といわれる中国と日本。近年来冷え込んでいる日中関係について、分析論や感情論、扇動的な言説など様々な議論が展開されている。その中で、日中両国はなぜすれ違うのか、中国の対日観、「反日」感情のルーツとは何か?といった問題を考えるとき、一個の事象ではなく、日中の対立、相互の不理解の要因を両国間の複雑な近代史という背景から理解する必要がある。そのために、しっかりと基礎的知識を勉強しておこう。 |
授業の概要・計画 |
概要: 近代の日中関係は東アジアの国際関係が中華帝国を中心とする伝統的華夷秩序から西洋を中心とする近代条約システムへと変容していく中で展開されていった。本演習は、中国に重点をおき、中国の底に流れる伝統の「華夷思想」に着目、伝統の華夷秩序が崩壊した前後の日中関係を顧みながら、次の内容からゼミ生諸君とともに検討していく。 1.変容する近代東アジアの国際秩序(3回) 2.近代日中関係の基本構造(4回) 3.華夷思想と近現代の日中関係(4回) 計画: 一回目はオリエンテーションにあて、最初の数時間を使って、講義の進め方や報告準備及び資料検策の方法を説明する。実質的に講義・報告・ディスカションに入るのはそれ以降になる。
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授業の進め方 |
ゼミナール形式をとる。報告者、討論者、司会進行者を立てて、読書会と討論会の形式で授業を進める。 ゼミ生全員に報告・討議への参加を義務付け、自ら選定したテーマについて期末レポートを提出してもらう。報告の際、参加者に関係文献の講読を担当させ、報告に基づいて議論・検討を行う。 |
教科書・参考書等 |
[教科書] 茂木敏夫『変容する近代東アジアの国際秩序』(山川出版社、1997) 横山宏章『中華思想と現代中国』(集英社新書、2002) その他、プリントを配布する。 [主要参考図書] 衛藤瀋吉『近代東アジア国際関係史』(東京大学出版会、2004) 『増補版中国近現代政治史年表 1800〜2003年』(晃洋書房、2005) 家近亮子『日中関係の基本構造』(晃洋書房、2003) 横山宏章『反日と反中』(集英社新書、2005) 山根幸夫ほか『近代日中関係史研究入門』(研文出版、1996) 浜下武志『朝貢システムと近代アジア』(岩波書店、1997) 小島晋治・並木頼寿編『近代中国研究案内』(岩波書店、1993) 朱建栄『中国 第三の革命』(中公新書、2002 ) 王 柯『多民族国家 中国』( 岩波新書、2005) その他の参考文献は随時指摘したい。 |
成績評価の方法・基準 |
出席状況、レポートの提出により評価する。特に報告には十分な準備が要求される。 |
その他(質問・相談方法等) |
中国、中国近代史に関する基礎知識はもっていて欲しい。その欠如を自覚した場合には,下記の本を読んでおくなどの自助努力を行なうこと。 小島晋治ほか『中国近現代史』(岩波新書、1992) 愛知大学現代中国学部編『ハンドブック現代中国』(あるむ、2003)
(学務委員会より) この授業の受講には別途登録(登録期間は4月5日〜4月11日)が必要です。法学部HPの「お知らせ欄」を参照してください。なお、この授業の初回は4月18日となります。 |
過去の授業評価アンケート |
2005年度前期 |