講義のテーマは、「民法解釈の方法の比較法史的検討」です。法学入門の講義などでは、法解釈の方法として、拡大解釈・縮小解釈・類推適用・反対推論・目的論的縮減など様々な手法が提示されます。講義では、それらの解釈手法が、ヨーロッパの法律学の歴史のなかで生まれてきた過程を概観したうえで、わが国の最高裁判例を素材にして、それらの解釈手法がどのように用いられているかを検討します。 講義は、7月上旬に配布する講義資料(A4版・150枚程度)にそくして進めます。講義資料では、各判例について10問程度の質問を掲げており、それらに対する回答を準備して出席することが、受講の要件です。参考文献として、広中俊雄『民法解釈方法に関する十二講』(有斐閣)を挙げておきますが、これにそくして進めるわけではありません。 成績評価は、前記の質問についての質疑応答をもとにして行います。別途試験は行いませんが、「集中講義は楽勝」という安易な気分で受講しても、前記の要件を充たしていなければ、単位認定はありえません。 なお、民法財産法全般に関する基礎知識が受講の前提となります。とくに、政治専攻の方や他学部の方は、この点に充分留意してください。 |