履修条件 |
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授業の目的 |
本演習では、政治学の「古典」を、時間をかけてじっくりと読みます。この作業を通じて、社会と人間に対する洞察力を養い、現代社会において<善き生>を営むための知恵を身につけることを目的とします。
本演習では同時にまた、次のような学問的な「型」を修得することを目指します。
(1)「古典」や「テクスト」の読み方を身につける。
(2)「歴史」の教訓を学び、「教養」を伸ばし、学問的な「センス」を磨く。
(3)論理的に「ものを考える」ための訓練を積み重ねる。
(4)学問的な「作法」を修得する(「授業の進め方」参照)。
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授業の概要・計画 |
本演習では、学問の稽古に欠かせない古典として、次の2作品を読みます。
(1)マキアヴェッリ『君主論』 (2)中江兆民『三酔人経綸問答』
(1)は、権力政治のデモーニッシュな側面をリアルに描き、国家存亡の危機を乗り越えるために必要な君主の力量とは何かを論じた作品です。人間や政治に対する鋭い洞察に圧倒されます。
(2)は開国期の日本を舞台に、迫り来る西洋列強の脅威に対して、将来の日本が進むべき道を模索した作品です。民主主義や自由の理念、戦争の是非をめぐって、三人の酔客が激論を闘わします。
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授業の進め方 |
本ゼミの進行は、極めてオーソドックスです。基本に忠実です。
(1)毎回、報告者を2名ずつ指名します。 (2)報告者は、テクストの内容を「レジメにまとめ」、それを「発表」します。「コメント」も用意します。 (3)その後、テクストの解釈や論点について、全員で「討論」します。
また、講読の成果を確かにするために、テクストに関するレポートを2本書いてもらいます。
なお、本演習は「入門」ゼミであるため、とくに学問的な作法の修得に配慮します。授業の全体を通して、(1)発表の仕方(2)議論のやり方(3)レポートの書き方を身につけることを目指します。
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教科書・参考書等 |
マキャベリ『君主論』、池田廉訳、中公文庫、2002年 中江兆民『三酔人経綸問答』、岩波文庫、1965年
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成績評価の方法・基準 |
毎回の出席や報告・発表、授業への取り組み方、およびレポートの内容によって総合的に評価します。
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その他(質問・相談方法等) |
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過去の授業評価アンケート |
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