国際私法

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
国際私法
標準年次
3・4
講義題目
国際私法
開講学期
後 期
担当教員
釜谷 真史  
単位数
4単位
教  室
103
科目区分
展開科目
履修条件
民法・民事手続法を履修済み、あるいは履修中であることが望ましい。
授業の目的
 「日本に住む外国人同士の夫婦が離婚を考えている」「外国航空会社の旅客機が墜落したため日本人の遺族が航空会社に慰謝料を請求したい」―このような国際的民事紛争はそもそも日本の国裁判所で処理されるのか、そして処理されるとして日本の裁判所はいずれの国の法を用いて判断するのでしょうか?このような問題を考えるのが「国際私法」です。
 ヒトやモノが国境を越えて活発に移動する現代ですが、法秩序はいまだ国家単位で存在しており、国際的民事紛争の解決にはいずれかの国家の裁判所や法に頼らざるを得ないのが現状です。日本では、日本の裁判所において国際的事例に対し外国法をも用いて対処する法的枠組みとして、明治31年に「法例」が制定され、また近年のさらなるボーダレス化に対応すべく法例改正作業が進められてきました。そして今年6月、「法の適用に関する通則法」が成立し、日本の国際私法は新たな一歩を踏み出しました。
 本講義では、@日本の裁判所はどのような国際的民事紛争について管轄を有するのかを学んだ後、A紛争解決に用いる法をどのようにして選択するのか、選択のプロセスおよびその過程で生じる問題について、改正作業および新法にも触れつつ、学んでいくことになります。受講生の皆さんの最終目標は、「国際的民事紛争がわが国で生じた場合にどのような手順で処理していけばよいのか」を、筋道立てて示せるようになることです。
 具体的なイメージを持ってもらえるよう、講義の中に近時の裁判例をできる限り織り交ぜ、皆さんに国際私法の面白さ・奥深さを伝えていきたいと考えています。受講生の皆さんの積極的な取り組みを期待してします。
授業の概要・計画
第1回目の授業で、各回の講義計画を配布する。
授業の進め方
講義形式。各自がテキストを持っていることを前提として、必要に応じ順序等を変えつつ、レジュメを用いて講義を行う。
教科書・参考書等
【教科書】神前禎=早川吉尚=元永和彦「国際私法」(有斐閣アルマシリーズ)
【参考書】櫻田嘉章=道垣内正人編「国際私法判例百選」(有斐閣)
      溜池良夫『国際私法講義』(有斐閣)、山田鐐一『国際私法』(有斐閣)
成績評価の方法・基準
定期試験の成績と、講義時間内に実施する小テスト(4回を予定)の成績を合算して評価する。小テストの趣旨、方法や合算の割合、また就職活動等で受験できない場合の取扱いなど、詳細は第1回目の授業で説明する。聞き逃さないように。
その他(質問・相談方法等)
国際私法は科目の性格上、他の法律科目以上に、「授業に出ないと定期試験で何も書けない」状況に陥りやすくなります。積極的な受講を心がけてください。
過去の授業評価アンケート