法と政治の動態

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
法と政治の動態
標準年次
3・4
講義題目
米軍基地に規定された沖縄
開講学期
後 期
担当教員
上間 正敦
単位数
2単位
教  室
104
科目区分
基幹教育科目
履修条件
特になし
授業の目的
2006年5月に日米で合意した在日米軍再編の経過と課題など、直近の時事問題を切り口に、戦後60年余、日米関係のもとに「規定」されてきた沖縄の基地、経済社会の歩みも概観、日本の安全保障の課題について理解を深める。
授業の概要・計画
【授業の概要】
 今年5月にメディアをにぎわせた「3兆円」という数字に記憶があるだろうか。在日米軍再編で日本が負担すべきとされた関係経費額だ。かつて、米軍基地から派生する種々の問題は、基地の集中度のあまり沖縄特有の問題とも思われてきた。しかし、今回の米軍再編では米軍の基地機能や訓練が移転するのは全国12等道県43市町村にものぼり、もはや「本土の沖縄化」とも例えられる。
 沖縄は半世紀余、過重な基地負担のために米軍人・軍属による事件・事故、不平等な日米地位協定による日本の主権・人権侵害、県民の暮らしに直結する経済活動(政策)でも様々な影響を受けてきた。こうした沖縄で浮かび上がる顕著な問題を「日本−米国−沖縄」の関係の中でとらえつつ、わが国の安全保障等のあり方を考える好機にしたい。
【授業計画】
 ・沖縄戦と米軍の沖縄統治
 ・在沖米軍の成り立ちと日米安全保障政策
 ・「基地の島」の実態と日米地位協定の不平等性
 ・米戦略に「規定」された戦後の日本・沖縄経済
などを全体の柱に、沖縄を通して浮かび上がる「米軍再編」や「基地経済」など時宜にかなった事例検証を加え、講義、討議する。 
授業の進め方
講義・討議方式。沖縄問題への理解を深めてもらうため、講義・討議ごとに感想程度のメモを適宜提出してもらう。受講希望者の意向も踏まえて、講義内容についても適宜調整していく。
教科書・参考書等
基本的にテキスト資料を用意する。参考図書として『米軍再編ー日米「秘密交渉」で何があったか』(久江雅彦著、講談社現代新書)、『現代日本と沖縄』(新崎盛輝著、山川出版社日本史リブレット66)、『世界のなかの沖縄 沖縄のなかの日本』(我部政明著、世織書房)、『再考沖縄経済』(牧野浩隆著、沖縄タイムス社)など。講義の中で適宜、必要に応じて紹介する。実態把握の一助とするため新聞の連載企画等も活用する。
成績評価の方法・基準
出題テーマに基づく小論文、授業への参加状況等を踏まえて評価する。
その他(質問・相談方法等)
「青い海」「青い空」の沖縄だけではない沖縄を知ってもらいたいという思いで講義を構成します。講義外のテーマでもみなさんの質問には極力答えられるよう準備します。
過去の授業評価アンケート