履修条件 |
毎年同じであるが、 演習は主体的参加が前提である。 したがって、 自らの頭で考え、 手と足を使って資料を捜し読む意欲がある人のみの参加を希望する。
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授業の目的 |
ゼミ開設 (1978年) 以来29年を迎える。 その間、 さまざまな個性あふれる人々に出会えたのが、 なによりの楽しみであった。 目的は、 ・読む、 書く、 調べる、 話すという基本的な力、 ・ゼミという組織の中で運営する能力、 ・先輩とのふれ合いを含めて、 これからの人生において基盤 (基点) となる何かをつかむ、 ことにある。
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授業の概要・計画 |
@ 授業の概要
私が担当する政治史ゼミは、 日本・東アジアを中心とするものとヨーロッパを中心とするものと、 1年ごとにテーマを変えてきた。 昨年度は、 日本を中心とする東アジアの政治を歴史的に扱ったので、 今年は、 ヨーロッパの1930年代を扱いたい。 本演習は、 1930年代におけるファシズムと反ファシズムの政治的ダイナミズムを、 諸論文を読み考え討論する。 1930年代は、 いわゆる 「危機」 の時代であった。 その危機は、 とくに 「デモクラシー」 や 「戦争と平和」 といった政治的問題に集約されていた。 ファシズムは、 大衆社会の成立とテクノロジーの発達、 さらに社会主義と資本主義のイデオロギー的対立という両大戦間期特有の世界的状況を背景にして登場した。 最近、改憲や日本のアジアでの孤立等、新たなる「危機」 が叫ばれるなか、 1930年代をふりかえるのは、 一定の今日的意味があると考える。
A 授業の計画 まず最初の数コマの時間を使って、 前年のゼミ論文集<第28号>の各論文の検討を行う。
先輩や同級生の論文を読んで論文をつくることの難しさと楽しさを学び、 自己が選ぶテーマについてのイメージをつかんでもらう。
次に今年度のテーマである 「1930年代のヨーロッパの政治」 についてのいくつかの文献を、 担当者を決めて報告・討論し、 そこで提起されたテーマについて調べる。 (1) ヨーロッパにおけるファシズム発生の意味を考える。 (2) スペイン戦争をめぐるヨーロッパの政治的構造をどうとらえるか (3) 反ファシズム運動の有効性について考える。 演習の進め方等のイメージを得たい方は、 学生諸君が自主的に作成しているゼミのホームページ (法学部のHPよりアクセス可能) があるので、 それを参照してほしい。
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授業の進め方 |
演習の進め方は、 例年のごとく、 参加者と相談して決定するが、 報告者を決めて討論形式で進める。 全部で24〜25回になるが、 その本演習とは別に論文 (ゼミ論文) 作成のためのサブゼミおよびゼミ論文批評会の合宿、 ゼミ旅行 (研修) を行う予定である。
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教科書・参考書等 |
教科書は参加者で相談して決定する。 実物を手にとって、 読みたい本を決める。
事前に以下の本を読んでおいてほしい。
石川捷治・平井一臣編『終わらない20世紀』法律文化社、2003年 熊野直樹・星乃治彦編『社会主義の世紀―「解放」の夢にツカれた人たちー』 法律文化社 2004年 |
成績評価の方法・基準 |
成績評価については、 日常のゼミの出席状況、 報告、 討論への参加状況、 ゼミ修了論文等により総合的に行う。
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その他(質問・相談方法等) |
年度末にはゼミ修了論文を作成してもらい、 それを集めた 『政治史ゼミ論文集』 (現在28号まで刊行) を発行する予定である。
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過去の授業評価アンケート |
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