履修条件 |
高校の世界史・日本史の教科書を、とりわけ近代史以降を中心に、最低1度は通読しておいてください。 |
授業の目的 |
本講義の目的は、以下の3点に集約されます。 1.法学部生として最低限必要な近現代史の基礎的な史実を紹介する。 2.ヨーロッパと東アジアの20世紀の歴史的な流れを大まかに紹介し、把握させる。 3.政治史の理論や分析概念並びにその歴史観を幅広く紹介し、理解させる。 以上です。 |
授業の概要・計画 |
本授業では、プロローグ、第1部、第2部とに分け、プロローグでは、熊野と石川が担当し、第1部では、熊野が担当し、第2部では石川が担当します。 まず、プロローグでは、ガイダンスを熊野が担当し、政治史講義の導入として、戦後九大政治学の基礎を築いた政治学者・具島兼三郎について熊野(2回)並びに石川(3回)が、その人と学問について解説を行います。 そのうえで第1部では、ヨーロッパにおける20世紀政治史を概観します。そこでは、グランドセオリーである「世界システム」論的観点から、ヨーロッパ20世紀を概観していきます。とりわけ第一次世界大戦と第二次世界大戦を中心に据えながら、解説していきます。 第2部では、東アジアにおける20世紀政治史を、テキスト『終わらない20世紀』(後掲)に依拠しながら、概観していきます。ここでは、特にヨーロッパ中心史観から自由な立場からの、東アジアの20世紀政治史を考察していきます。 現段階においては、以下の計画に基づいて、授業を行う予定です。 プロローグ 1.ガイダンス(担当:熊野) 2.「政治学者・具島兼三郎について」(担当:熊野・石川)
第1部「ヨーロッパにおける20世紀政治史」(担当:熊野) 1.20世紀の歴史学方法論の再検討 2.「世界システム」論からみたヨーロッパ20世紀政治史
第2部「東アジアにおける20世紀政治史」(担当:石川) 1.東アジアの「長い20世紀政治史」 2.近代のパラドックスと「近代の超克」 3.熱戦・休戦・冷戦 4.変容のなかの持続 5.終わらない20世紀 |
授業の進め方 |
講義形式となります。 第1部では、講述と板書を中心に授業を進めていきます。 第2部では、テキストを利用し、それに依拠して授業を進めていく予定です。また、双方向的な授業になるように、毎回、小さな紙に疑問・意見などを書いて提出してもらうつもりです。 |
教科書・参考書等 |
石川捷治・平井一臣編『終わらない20世紀』法律文化社、2003年 熊野直樹・星乃治彦編『社会主義の世紀』法律文化社、2004年 石川捷治・中村尚樹『スペイン市民戦争とアジア』九州大学出版社、2006年 『〈追想〉具島兼三郎』弦書房、2006年 |
成績評価の方法・基準 |
レポート(20点)と定期試験(80点)との総合評価(100点)によります。 |
その他(質問・相談方法等) |
冬休みにレポートとして書評を課します。レポート提出をもって、定期試験の受験資格を付与するので、くれぐれも注意してください。 <レポート提出要領> 課題:熊野直樹・星乃治彦編『社会主義の世紀』(法律文化社、2004年)の書評。 分量:A4用紙1枚程度(2000字以内)。但し、表紙は分量に含まない。 提出期限:2007年1月9日(火曜日)17時まで(時間厳守) 提出先:法学部学生掛 なお、書評の書き方などは、授業において数回にわたって解説する予定です。 |
過去の授業評価アンケート |
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