●法政基礎演習2

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
●法政基礎演習2
標準年次
2
講義題目
自治体財政分析入門―予算から見た地方政府の現状と課題
開講学期
前 期
担当教員
茂木(康俊)  
単位数
2単位
教  室
304
科目区分
入門科目
履修条件
履修条件は特にありませんが、自治体財政や地方自治の問題に関心を持った熱意のある方の受講を希望します。
授業の目的
@自治体の財政の仕組みについて理解すること
AExcel等のコンピュータ・ソフトを用い、各自治体の財政状況を分析する手法を身につけること
B大学生として重要なスキルである、文献・資料を収集し、それらを整理・分析し、分析結果をわかりやすく説明する能力を身につけること
以上の3点が本演習の目的です。自治体の行政の重要な1側面であり、行政の活動を大きく左右する財政の仕組みを理解することが演習の主要な目的です。それに加え、文献・資料の収集、分析、そしてプレゼンテーションという基礎的な学力の養成も目的にしています。
授業の概要・計画
[授業の概要]
 2007年3月にいわゆる財政再建団体となった夕張市は行政サービスの大幅な見直しや職員数の削減を行っています。このような行政サービスの見直しの結果、市民生活に与える影響も大きく出ています。自治体の財政については議会による統制が行われていますが、住民が財政の仕組みを理解し、自治体の財政状況について理解していることがまず重要です。本演習では自治体の財政の仕組みについて学び、基礎知識を得た上で、各グループに分かれ、近隣の自治体の財政状況について検討を行います。具体的には、財政に関する資料を収集し、Excelなどのコンピュータ・ソフトを活用して分析を行い、財政状況を検討します。各回の演習においては財政制度に関する個人報告と、近隣の自治体を分析対象とするグループ報告を行って頂き、この演習を通じ各参加者が情報を発信する能力を伸ばして頂きたいと考えています。
[授業計画] (演習参加者数や参加者の希望により変更する場合もあります。)
@「自治体財政の諸問題――導入」 ・・グループ分け、分析対象の決定
A「国の財政の仕組み(1)――制度の概要」 ・・Aグループ第1回報告
B「国の財政の仕組み(2)――予算制度」 ・・Bグループ第1回報告
C「国の財政の仕組み(3)――租税制度」 ・・Cグループ第1回報告
D「自治体の財政の仕組み(1)―制度の概要」 ・・Dグループ第1回報告
E「自治体の財政の仕組み(2)―予算制度」 ・・Aグループ第2回報告
F「自治体の財政の仕組み(3)―地方税制度」 ・・Bグループ第2回報告
G「Excelを用いた財政分析(1)」 ・・Cグループ第2回報告
H「Excelを用いた財政分析(2)」 ・・Dグループ第2回報告
I「Excelを用いた財政分析(3)」 ・・最終プレゼンテーションの方法について説明
J「最終グループ・プレゼンテーション(1)」
K「最終グループ・プレゼンテーション(2)」
L「プレゼンテーションの評価・・予備日」
授業の進め方
[通常の演習時]
@報告担当者による教科書指定個所の内容紹介(合計30分)
 事前に決定した報告担当者が、教科書の指定個所の内容を要約し、内容に関し疑問点や問題点を明らかにします(報告時間は約15分)。報告担当者の発表を受け、担当教員が情報提供や補足を行います。最後に参加者全員で議論や質疑応答を行います。
A報告担当グループによる自治体財政に関する報告(合計60分)
 報告担当グループは、各グループの分析対象の自治体の財政に関する報告を行います(報告時間は30分)。その後、発表内容について参加者全員で議論や質疑応答を行います。

[最終グループ・プレゼンテーション(11、12回目)の演習時]
報告担当グループが最終プレゼンテーションをまず行います(各25分)。その際にはExcelを用いて分析した、各自治体の財政状況を数値やグラフで示して頂きます。各報告の後、議論や質疑応答を行います。
教科書・参考書等
[教科書]
木下康司『図説 日本の財政〈平成18年度版〉』(東洋経済新報社、2006年)
世利洋介『Excelによる自治体財政診断――政策提言のために――』(九州大学出版会、2001年)
[参考図書]
出井信夫『図説 地方財政データブック〈平成18年度版〉』(学陽書房、2006年)
新藤宗幸『日本の予算を読む』(筑摩書房、1995年)

教科書については初回の授業までに各自必ず入手してください。
成績評価の方法・基準
@出席状況(20%):やむを得ず欠席する場合には事前に連絡をお願いします。
A討論への参加状況(10%) :できるだけ各回1度は発言するようお願いします。
B個人プレゼンテーション(30%) :A4サイズでの報告資料の配付を必ず行ってください。
Cグループ・プレゼンテーション(40%)、
以上の点に関し総合的に成績評価を行います。最終レポートは課さず、各プレゼンテーションの内容を評価の中心に置く予定です。
その他(質問・相談方法等)
演習に関するご質問、ご相談に関しては、Eメールで随時受け付けます。Eメールアドレスは、@law.kyushu-u.ac.jp の前に moteki を付加して下さい。また、アポイントメント(事前の面談予約)なしで授業内容などに関する相談に応じるオフィス・アワーの時間を設定する予定です。曜日や時間帯など、詳しくは初回の授業の際にご連絡します。なお、グループ・プレゼンテーションのために大学外で資料収集等を行う場合は、くれぐれも安全に気をつけ第3者に迷惑をかけないよう気をつけてください。
過去の授業評価アンケート