履修条件 |
犯罪や刑罰について興味を持ち、自分で意欲的に調べてみる意欲を持っていること。 教科書に指定している文献は事前に必ず読んでくること、また、参考文献も読んで参加することが望ましい。 |
授業の目的 |
刑事法を素材にして、社会的、法的問題へのアプローチの仕方および考え方を身につける。 具体的には、@情報・資料の収集と分析の手法、Aプレゼンテーション(発表)の方法(レジュメなどの資料作成技法を含む)、Bディスカッション(司会の実践を含む)の方法、C答案やレポート作成の方法などを習得することを目的とする。 |
授業の概要・計画 |
マスコミ報道では、犯罪の激増・凶悪化・低年齢化が叫ばれ、世論調査によると、8割以上の国民が「日本の治安は悪化した」と答えるにいたっており、「日本の安全神話は崩壊した」と言われる。犯罪白書によれば、確かに、犯罪認知件数は2000年以降激増している。しかし、この犯罪統計は現実の犯罪状況を正確に反映したものなのだろうか。他方、刑務所は過剰収容となり、新しい刑務所が次々と建設されようとしている。しかし、収容者をみれば、軽微な犯罪を犯した者や高齢者あるいは病人ばかりが増加している。そこには、安全神話崩壊というにはあまりにも異なる風景が広がっている。このゼミでは、犯罪と刑罰に関して広がっている常識を疑い、そのウソがどのように作られるのかを一緒に考える。 教科書に指定している文献の特に第1章及び第4章を熟読したのち、犯罪と刑罰についての認識の違いが、どのように、また、なぜ生み出されるのかについて、文献や資料等を収集する。次に、各自が持った問題意識を掘り下げ、その結果をお互いに議論する。その議論をふまえて、各自でレポートを作成する。 |
授業の進め方 |
最初の時間は、ガイダンスを行う。今後ゼミの中で具体的に何をテーマとして取り上げるかを話し合う予定。 その後の具体的なゼミの進め方はガイダンスのときに説明するが、だいたい次のような順序になる。 @ 教科書の各章ごとの要旨とそれについての討論 A 主要論点を析出し、そのテーマについての情報や資料等を収集する。 B 収集した資料等を用いて、論点の掘り下げを行い報告する。 C その報告に対するディスカッションをふまえて、各自レポートを作成し提出する。 なお、ゼミの中ではビデオ教材も使用し、そのテーマについてレポート提出を求めることもある。 |
教科書・参考書等 |
T.教科書 浜井浩一・芹沢一也『犯罪不安社会ー誰もが「不審者」?』(光文社新書 2006) U.参考書 浜井浩一『刑務所の風景』(日本評論社 2006) 河合幹雄『安全神話のパラドックス』(岩波書店 2004) 山本譲司『獄窓記』(ポプラ社 2003) 山本譲司『累犯障害者』(新潮社 2006)など |
成績評価の方法・基準 |
ゼミへの出席、討論への参加意欲、プレゼンテーション、レポートなどを総合的に評価する。 |
その他(質問・相談方法等) |
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過去の授業評価アンケート |
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