履修条件 |
中国の政治・社会問題に関心があって、学習に意欲と熱意があり、議論に積極的に参加できる学生が望ましい。 |
授業の目的 |
第一に、日中関係を歴史的に概観し、現代日中関係の抱える問題および将来の展望を考える。 第二に、報告やレジュメの作成方法など、プレゼンテーションの仕方を身につけること、文献を探索・利用するノウ・ハウを確立する。 第三に、テキストを的確に読解し、他者の意見をなるべく正確に理解しつつ自分の意見を明確に他者に伝え、議論する力を身につけること。
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授業の概要・計画 |
【概要】 80年代から改革・開放政策が実施され、市場経済を取り入れた中国は、経済が大きく成長してきた一方、新しい不安定な要素(人口、食糧、エネルギー、官僚の腐敗、格差の拡大など)をたくさん抱え込んでいる。日本にとって、このような中国とどのような関係を築いていくべきか、ということは、単に日中関係のみならず、東アジア全体の平和秩序を考える上で重要である。 ところが、ここのところの日中関係は、「政冷経熱」と表現されているように、経済面ではますます両者の間の緊密な関係が形成されつつある一方で、政治面においては、1972年の日中国交正常化以来最大の困難に直面していると言ってもよいであろう。このような事態は、どのように生じたか。今後の日中関係はどうあるべきか? 本演習では、冷戦期から1972年の国交正常化を経て、現在に至るまでの半世紀の歩みをたどり返し、両国の何がどのように変わったのかということに関する分析を通じて、現在の日中関係の抱える問題および将来の展望を考える。 本演習で扱う具体的テーマについて、参考としてテキスト(下記参照)の目次を掲げる。 第1章 冷戦のただなかで 第2章 日中正常化への道 第3章 中国の近代化と日本 第4章 構造変化する日中関係 第5章 新たな関係へ――パートナーになりうるか
【計画】 第一回目のゼミはオリエンテーション(ゼミの趣旨説明、自己紹介、報告内容の割り振りと報告者の決定、報告上の注意、文献の紹介等)を行う。時間に余裕があれば、文系合同図書室や法学部情報サロンなどを見学する。第二回目以降は、報告者によってテキストの内容を報告してもらい、質疑応答、議論を行う。そして、最終回には演習全体を総括する。
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授業の進め方 |
全員必ず一度は報告を担当してもらう。履修者数にもよるが、一回につき報告担当者1名と質問者1名(履修者数が多ければ報告者2名)をあらかじめ設定し、報告者による報告とそれに対する質問者からの質疑を軸に、全員で議論をする。報告者は、テキストの要約をした上で、他の資料(できれば複数)を参照してレジュメを作成し報告を行う。また報告者以外の人も、必ずテキストを通読した上でゼミに出席し、一回のゼミで一度以上の発言をしていただく。なお、履修者数やゼミの進捗度によって、新たなテキストを加える可能性もある。 |
教科書・参考書等 |
【教科書】 毛里和子『日中関係 戦後から新時代へ』岩波新書、2006年(¥740+税) 【参考図書】 朱建栄『中国 第三の革命』中公新書、2002年(¥740+税) 天児彗『中国・アジア・日本』ちくま新書、2006年(¥700+税)
※他の参考文献類については必要に応じて随時指示する。
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成績評価の方法・基準 |
出席状況、報告内容、論議への参加の度合い等によって評価する。 無断遅刻・欠席はマイナス評価の対象とする。
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その他(質問・相談方法等) |
質問は随時受け付けます。 電子メールでの連絡はhe[アットマーク]law.kyushu-u.ac.jpまで。
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過去の授業評価アンケート |
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