●法政基礎演習2

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
●法政基礎演習2
標準年次
2
講義題目
刑事法入門
開講学期
前 期
担当教員
石田(倫識)  
単位数
2単位
教  室
2研
科目区分
入門科目
履修条件
 履修条件といったものは特にありません。刑事法に関する現段階での専門的知識の有無も問いません。
 ゼミ活動に主体的に参加する意欲のある学生を期待します。
授業の目的
 本演習では、刑事法における諸問題を題材として、高年次の演習で必要となる基礎的な能力を養うことを第一の目的としています。具体的には、@必要となる種々の情報を収集する能力、A収集した情報を整理し、考察・分析を加える能力、その上で、B自分自身の見解を明確に表明する能力です。本演習での活動を通じて、これらの基礎的な力をしっかりと身に付けていただきたいと考えています。とくに、「相当量の文献を読む」ということに慣れてもらいたいと思っています。活発な議論を促すためにも、最初は教員の方からテーマを与え、関連する資料(判例・文献等)も提供しますので、ゼミ生のみなさんには、まず「文献を読む」というもっとも基礎的でかつ重要な作業に集中していただきます。
授業の概要・計画
 授業を大きく二つに分けて、前半は担当教員の設定するテーマを、後半は演習参加者が自ら選択するテーマを、それぞれ取り上げたいと思います。前半に取り上げるテーマは、次のとおりです(※は演習での討論に参加するための準備として、ぜひとも読んできてほしい資料です)。
(1)日本における犯罪状況と刑法の役割
 ※ 浜井浩一=芹沢一也『犯罪不安社会 誰もが『不審者』?』(光文社、2006)

(2)刑事裁判における誤判・冤罪
 ※ 小田中聰樹『冤罪はこうして作られる』(講談社、1993)

(3)被疑者・被告人の権利 〜 無罪推定原則と黙秘権 〜
 ※ 三島聡『刑事法への招待』(現代人文社、2004)

(4)違法捜査と証拠排除
 ※ 最高裁昭和53年9月7日判決(最高裁判所刑事判例集32巻6号1672頁)、最高裁平成15年2月14日判決(最高裁判所刑事判例集57巻2号121頁)

※に掲げた資料以外にも、適宜、必要な資料を提示します。ここで掲げた資料については、各自が事前に読んでくることを前提にします。なお、(1)〜(4)のテーマに、それぞれ2コマ程度の時間をかけたいと思います。
授業の進め方
 第1回目の授業では、取り上げるテーマの意義や目的など、本演習の趣旨について、担当教員が詳しく説明したいと思います。その上で、報告の担当・順番を決め、第2回目以降の授業から実際に報告していただきます。基本的には、2名程度の報告担当者からプレゼンテーション(30分程度)を最初に行ってもらい、それを手掛かりにゼミ生全員で議論するという形で進めていきたいと思います。
教科書・参考書等
 特にテキストは指定しませんが、刑法と刑事訴訟法の教科書をそれぞれ一冊ずつくらいは持たれておくとよいと思います。
 詳細は講義の際にいくつかご紹介しますが、さしあたり、刑法の教科書として、
 浅田和茂『刑法総論〔補訂版〕』(成文堂、2007)、
刑訴法の基本書として、
 福井厚『刑事訴訟法〔第5版〕』(有斐閣、2006)、
 同『刑事訴訟法講義〔第三版〕』(法律文化社、2007)、
 白取祐司『刑事訴訟法〔第4版〕』(日本評論社、2007)
をお勧めします。
 なお、上記以外の文献で、本演習活動を通じて参考になるものとして、
 赤池一将=中川孝博『刑事法入門』(法律文化社、2006)、
 三井誠ほか(編)『入門 刑事法〔第三版〕』(有斐閣2003)、 村井敏邦『刑法―現代の『犯罪と刑罰』〔新版〕』(岩波書店、2005)、
 前田朗『刑事法再入門』(インパクト出版会、2007)
などをお勧めします。
成績評価の方法・基準
 演習への出席状況、議論への参加状況、演習での報告等を総合評価の上で成績評価を行います(なお、参加者と相談の上、ゼミ論文集を作成することになった場合、ゼミ論文も成績評価の対象とします)。
その他(質問・相談方法等)
 本演習に関するご質問、ご相談に関しては、e-mailで随時受け付けています。また直接研究室にお越しいただいて構いません。私が常に在席しているとは限りませんので、事前にご連絡いただければ幸いです。メールアドレスは、t-ishida【アットマーク】law.kyushu-u.ac.jpです。研究室は法学府第9研究室です(電話番号;092-642-3226)。
過去の授業評価アンケート  2006年度前期