刑事訴訟法演習

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
刑事訴訟法演習
標準年次
3・4
講義題目
刑事訴訟法の諸問題
開講学期
通 年
担当教員
豊崎 七絵
単位数
4単位
教  室
209
科目区分
展開科目
履修条件
 このゼミを通して、刑事訴訟法を深く勉強してみたいという意欲を持つ者。そのための基礎として、2007年度に刑事訴訟法を履修する予定である、もしくは既に履修済みであることが望ましい。
 ゼミは学生が主体となって創り上げるものなので、毎回の出席はもちろん、ゼミ仲間と議論することをいとわず、またゼミ運営にも積極的にたずさわること。
授業の目的
 刑事訴訟をめぐる歴史的背景・現状を踏まえながら、刑事訴訟法の原理・原則の意義を理解し、また日本の刑事訴訟の課題を捉えること。
授業の概要・計画
 参加者は事前に@このゼミで取り上げたいテーマ、Aそのテーマを取り上げたい理由、Bテーマに関連する検討素材(一つ以上。判例・論文等)を探してきて、第一回目のゼミで全員報告する(Bについては具体的に調べて、当日その概要を他の参加者に説明すること。またコピー等、現物が確認できる物を持参すること)。この報告と担当教員からのアドバイスを踏まえて、テーマの決定を行う。
 基本的には1回の講義につき1テーマを検討してゆくことになるが、大きなテーマの場合には複数回にわたることがある。
 また参加者にはゼミ論文を書いてもらう予定である。

 
授業の進め方
 検討対象となったテーマについてのグループ報告ないし個人報告を踏まえた、ゼミ参加者全員による議論。
 報告者は事前にレジュメを用意・配布すること。また議論が活発になるための工夫(具体的論点の提示等)も考えて、当日の報告にのぞむこと。報告者以外の者もレジュメを参考にして、関連する判例・論文等について事前に読み、疑問点や自分の意見等を整理して議論にのぞむこと。
 なお以上の日常的活動の他、ゲストスピーカー(実務家、研究者等)の招待や施設参観を行うこともある。
教科書・参考書等
 教科書等については第一回目の講義で指示する。検討対象となったテーマに関連する参考文献については適宜紹介する。
成績評価の方法・基準
 平常点とゼミ論文の総合評価とする。
その他(質問・相談方法等)
 「人身の自由(=刑事手続上の人権)なくして、思想、表現の自由なし」という法格言は、あらゆる基本的人権が行使されるための基盤として、刑事手続上の人権保障が不可欠であることを謳っています。
 他方で日本には「犯人は必ず捕まえて処罰しなければならない」という必罰主義の考え方が伝統的に根強く存在しています。加えて刑事手続上の人権はなかなか理解されにくいという性格も持っています。例えば「被疑者・被告人は、犯行に関与しているにせよ無実であるにせよ、真実を自分の言葉で述べるべきだ」という感覚論に対して、なぜ黙秘権の保障が必要かを説明することは決して容易な作業ではありません。
 このように刑事訴訟法学は価値選択を迫られることが多い学問ですが、それだけに「深く、粘り強く、自分の頭で考え抜く」という作業が求められますし、また「考え方の異なる者同士で、徹底的に議論する」というゼミの醍醐味を味わうことのできる学問だといってもよいでしょう。志のある人の参加を求めます。
過去の授業評価アンケート