政治史演習

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
政治史演習
標準年次
3・4
講義題目
現代ファシズム論再考
開講学期
通 年
担当教員
熊野 直樹
単位数
4単位
教  室
研究室
科目区分
展開科目
履修条件
 ファシズムといったテーマについて、1年間議論していけるほどの関心と熱意のある方。
授業の目的
 本演習の目的は、以下の4点です。
1.政治史関係の学術論文の読み方を習得する。
2.政治史を解釈する際に必要な用語や概念を十分に理解し把握する。
3.自分の考えを的確かつ論理的に相手に伝えるようになる。
4.ゼミ論文の執筆を通じて、調査能力と論文作成能力を育成・発展させる。
授業の概要・計画
 最近、ジャーナリズムやアカデミズムの世界で、「管理ファシズム」や「安心のファシズム」さらには「21世紀型ファシズム」など、現代の日本政治の状況を「ファシズム」なる用語を使って説明しようとしている傾向が一部で見受けられます。「ファシズム」なる用語の安易な使用は、「ファシズム」概念の混乱を逆に引き起こしかねず、学術的に使用する際には、この概念やその理論史を再度検討する必要があります。
 そもそも、ファシズム概念やファシズム論をめぐって、戦前来、日本においてさまざまな論争が繰り広げられてきました。そこで本演習では、これまでのファシズムをめぐる日本での議論を検討しつつ、現段階でのファシズム理論の諸潮流について再考することにします。
 以上を通じて、「ファシズム」なる現象ならびにその概念について、できる限り深く皆さんと追究していきたいと考えています。

【授業計画】
1.ファシズムに関する基礎的知識の習得
2.戦前期ファシズム論の検討
3.戦後ファシズム論争史の検討
4.現代ファシズム論の検討
5.ゼミ論文構想発表会(後学期に2回開催予定)
  ゼミ論文合評会を兼ねたゼミ旅行(年度末)
授業の進め方
 毎回、報告者1人ならびにコメンテーターを1人を定めて、テキストに関する報告者のコメントを中心に参加者全員が議論を行っていきます。
教科書・参考書等
山口定『ファシズム』(岩波現代文庫、2006年)
『《追想》具島兼三郎』(弦書房、2006年)
加藤陽子「ファシズム論」『日本歴史』700号(2006年)
馬場康雄「歴史現象としてのファシズム」『岩波講座世界歴史24』(岩波書店、1998年)
丸山眞男『現代日本の思想と行動〈増補版〉』(未来社、1964年)
具島兼三郎「侵略戦争の主体 日本ファシズムの特質」『言論』創刊号(1946年)
具島兼三郎「ファビオ・ファシズムその他」『公法雑誌』2巻11号(1936年)
成績評価の方法・基準
 平素ならびにゼミ論文
 夏休みにはレポートを課します。
その他(質問・相談方法等)
 本演習は、少人数ゼミをモットーとしており、定員は最大8名です。後学期は、ゼミ論文の作成にも力を入れて取り組むために、ゼミ論文構想発表会を2回予定(後学期)しています。
 夏休みならびに年度末には、ゼミ旅行を行っています。年度末のゼミ旅行ではゼミ論文合評会も兼ねています(05年度道後温泉・琴平、06年度前期・長崎市)。
 なお、ゼミ生の修学上の相談役として、ティーチィング・アシスタント(大学院生)も参加する予定です。
過去の授業評価アンケート