履修条件 |
高校の世界史・日本史の教科書を、とりわけ近代史以降を中心に、必ず最低1度は通読しておいてください。 |
授業の目的 |
本講義の目的は、以下の3点に集約されます。 1.法学部生として最低限必要な近現代史の基礎的な史実を紹介する。 2.20世紀の歴史的な流れを大まかに紹介し、把握させる。 3.政治史の理論や分析概念並びにその歴史観を幅広く紹介し、理解させる。 以上です。 |
授業の概要・計画 |
本授業では、第1部と第2部とに分け、第1部では、熊野が担当し(10月1日〜12月5日)、第2部では石川が担当します(12月10日〜2008年1月24日)。 第1部では戦間期政治史の各論として、戦間期政治史の諸問題の一つとして革命と対抗革命並びにファシズムと反ファシズムの問題について「ファシズムの危険」並びに「共産主義の危険」といった2つの危機感に着目しながら、検討していきます。 そのうえで、ヨーロッパにおける20世紀政治史をマクロに概観します。そこでは、グランドセオリーである「世界システム」論的観点並びに「国家社会主義」的な観点から、ヨーロッパ20世紀の政治史を概観していく予定です。とりわけ、第一次世界大戦と第二次世界大戦並びにファシズムと社会主義を中心に据えながら、解説していきます。 第2部では政治史各論として、戦間期における反ファシズム統一戦線運動について検討していきます。とりわけなぜヒトラーを阻止できなかったのか、といった問題を国際労働運動史の観点から考察していきます。 現段階においては、以下の計画に基づいて、授業を行う予定です。受講者の希望や世界史・日本史の履修状況等によって、内容に変化が生じる可能性があります。
第1部「ヨーロッパにおける20世紀政治史」(担当:熊野) プロローグ 第1章 2つの統一戦線と2つの危機感(各論) 1.反ファシズム統一戦線としての労働者政府の成立 2.右翼統一戦線としてのヒトラー内閣の成立 第2章 「世界システム」論と「国家社会主義」論からみたヨーロッパ20世紀政治史(総論) エピローグ
第2部「戦間期政治史各論」(担当:石川) 1.1930年代におけるドイツの危機 2.コミンテルン史再考 |
授業の進め方 |
講義形式となります。 第1部では、講述と板書を中心に授業を進めていきます。 第2部では、テキストを利用し、それに依拠して授業を進めていく予定です。また、双方向的な授業となるように、毎回、小さな紙に疑問・意見を書いて提出してもらいます。 |
教科書・参考書等 |
【教科書】 ・熊野直樹・星乃治彦編『社会主義の世紀』(法律文化社、2004年)=レポートの課題図書 ・石川捷治・中村尚樹『スペイン市民戦争とアジア』(九州大学出版会、2006年) 【参考図書】 ・石川捷治・平井一臣編『終わらない20世紀』(法律文化社、2003年) ・田村栄子・星乃治彦編『ヴァイマル共和国の光芒』昭和堂、2007年 |
成績評価の方法・基準 |
レポート(20点)と定期試験(80点)との総合評価によります。 【レポートの課題】 熊野直樹・星乃治彦編『社会主義の世紀』(法律文化社、2004年)の書評。 締切:2008年1月7日(月曜日)17時00分まで(時間厳守) 字数:2000字程度(A4用紙1枚程度、表紙はつけて構わない) 提出先:教務課学生第三係(旧法学部学生係) |
その他(質問・相談方法等) |
レポートとして書評を課します(成績評価の方法・基準を参照)。レポート提出をもって、定期試験の受験資格を付与するので、くれぐれも注意してください。書評の書き方などは、授業において数回にわたって解説する予定です。 |
過去の授業評価アンケート |
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