●外国法律書講読(英語)

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
●外国法律書講読(英語)
標準年次
2・3・4
講義題目
知的財産法英語文献講読
開講学期
後 期
担当教員
小島 立
単位数
2単位
教  室
206
科目区分
基盤科目
履修条件
 積極性溢れる受講者の参加を希望します。なお,本授業は,大学院法学府の「国際関係法学外国書購読第二」との合併授業です。
授業の目的
 知的財産法(著作権法)の英語文献を講読します。知的財産法に対する理解を深めるとともに,外国語(英語)能力の涵養を目指します。
授業の概要・計画
 (授業概要)
 著作権の成立について論じた,Mark Rose, Authors and Owners: The Invention of Copyright (Harvard University Press; Reprint edition, 1995)を講読します(全190頁)。
 最初期の著作権は,現在のように創作者(Author)に対してではなく,流通業者である書籍業者(Stationer)に対して与えられたものでした。その理由は何であったのか,そして現在のように,創作者に著作権が与えられるに至る過程の変遷はいかなるものであったのかという問題を考えることは,著作権の本質に迫る上で大変に重要でしょう。また,デジタル時代を迎え,情報流通の過程における流通業者の役割が再認識される昨今,上述のような著作権の成立過程を辿ることには,大いに現代的意義があると思われます。
 つまり,本書の講読を通じ,著作権法とは何を保護すべき法律なのかという「古くて新しい問題」を,参加者全員で一緒に考える契機になれば幸いに思います。

 (授業計画)
 授業計画は以下のとおりです(10月24日(水)・10月31日(水)は,授業担当者が海外出張のため,休講とさせていただきます)。
 第1回:10月3日(水) イントロダクション
 第2回:10月10日(水) Preface, pp.1-8 
 第3回:10月17日(水)3限 pp.9-16
 第4回:10月17日(水)4限〔補講〕 pp.16-30
 第5回:11月7日(水) pp.31-48
 第6回:11月14日(水) pp.49-66
 第7回:11月28日(水) pp.67-78
 第8回:12月5日(水)3限 pp.78-91
 第9回:12月5日(水)4限〔補講〕 pp.92-112
 第10回:12月12日(水) pp.113-129
 第11回:12月19日(水) pp.130-142
 第12回:1月9日(水) pp.145-158
 第13回:1月16日(水) まとめ
授業の進め方
 講読において,特に担当者を決めることは致しません。また,文章の全訳を求めることはありませんが,文章のまとまり(意味の固まり)を自分で把握し,その要約を行なって下さい。その際,何が文章の主題として取り上げられているのか,何と何が対比(比較)して書かれているのか,従前の問題状況はどういった内容で,筆者はそれに対してどのような分析を加え,従来の考え方とどのように違った意見を持っているのか,といった点について,意識的に注意を払っていただきたいと思います。
 これまでの担当教員の経験から申し上げますと,学生の皆さんは,個々の短熟語の意味を辞書で調べることに意を用いすぎ,一定の長さの文章が固まりとして何を言っているのかを把握することが苦手であるような気がします。そのような「木を見て森を見ない」状況に陥らないように気をつけながら,予習を行なって下さい。
 また,重要な法的概念について,授業担当者が質問を行なうこともありますので,丁寧に予習していただきたいと思います。
教科書・参考書等
 1.著作権の関係上,参加者全員に本1冊を丸々コピーしてお渡しすることはできません。講読する文献を文系生協書籍部に用意致しますので,参加者は各自購入した上で授業に臨んで下さい。価格は,約3,700円前後と聞いております(2007年9月中旬現在)。
 2.授業には,英和辞書(電子辞書でも可)を必ず持参して下さい。
 3.授業担当者の外国語教育に対する基本的な考え方を知る上での参考文献を,法学部の「コアセミナー(法政基礎演習1)」(2007年度前期・金曜4限)のシラバスに記していますので,関心のある方は御覧いただきたいと思います。
 4.著作権法についての基本的知識を得たい場合には,中山信弘『マルチメディアと著作権』(岩波新書(赤426),1996年)に目を通されることをお勧めします。
 5.本演習の内容に直接関連する参考文献として,白田秀彰『コピーライトの史的展開』(信山社,1998年)があります。
成績評価の方法・基準
 授業への出席,平素の態度により評価を行います。
その他(質問・相談方法等)
 参加を希望される方は,9月末日までに小島までご連絡下さい(メールアドレスは,kojima[アットマーク]law.kyushu-u.ac.jp)。
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