●〔全学教育〕文系コア法学

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
●〔全学教育〕文系コア法学
標準年次
1・2
講義題目
民法入門
開講学期
前 期
担当教員
香山 高広
単位数
2単位
教  室
六本松
科目区分
基幹教育科目
履修条件
 特になし。
授業の目的
 法学部に入学した学生の多くは、これから「民法」という授業を履修することであろう。また、現に、1年生の多くは、後学期から『民法I』を履修するはずである。今後、最低3年間に渡り、『民法I』以外にも、『民法II』(2年次)、『民法III』(3年次)、『民法IV』(3年次)の4つの講義を受講することになる。そして、この4つを学び終えることにより初めて「民法を学んだ」と言えるわけである。
 「民法」と一言で言っても、いわゆる「民法典」だけではなく、実際には、それは、それに関連した様々な法律で構成されている。しかし、このことを度外視して、「民法典」だけを眺めてみても、それは全部で1044の条文で構成された大法典に他ならない。そして、運悪いことに、この1044の条文は、相互に密接に関連し合っており、1つの条文を学習しても、多くの場合において、その条文を理解することはできないであろう。つまり、1つの条文を真に理解するためには、全1044の条文全てを理解しておく必要があるわけである。そうであるとすれば、今後、諸君が『民法I』の講義中に、「何の話をしているのか全く分からない」と思うかもしれないが、それは、ある意味で当然のことということになる。
 では、諸君が『民法I』を受講するに際して、どのようにすれば、この授業を真に意味のあるものにすることができるであろうか。3年次までの授業を聞き終えなければ、全く理解できないとすれば、『民法I』を学ぶ意味はない、つまり時間の無駄ということになる。しかし、それはどうしても回避したい。そこで1つの方法として、『民法I』の授業を受講しつつ、他の3つの民法の部分を自修することが考えらる。民法の分厚い本を購入し、それを1人で読むのである。しかし、これをやるには余程の精神力と体力が必要であるし、また恐らくこれをやると民法が嫌いになるであろう。そこで、私は、次のように考えるに至った。すなわち、大きな本を1人で読むのは無理としても、民法を本格的に学ぶ前に、簡単に民法全部を教えることができる場があれば、今後の民法学習に非常に役に立つのではないかと。そこで、本講義は、今後の民法学習の前知識をできる限り多くの方に提供することを目的として、民法全体を概観していくことにした。これにより、ほんの僅かかもしれないが、『民法I』あるいはそれ以外の民法の学習が、楽に、そして楽しくなるのではなかろうか。
授業の概要・計画
第01回 民法とは何か
第02回 民法の基礎
第03回 法律行為
第04回 代理
第05回 時効
第06回 所有権
第07回 契約(1)
第08回 契約(2)
第09回 事務管理・不当利得・不法行為
第10回 家族
第11回 親子・扶養
第12回 相続
授業の進め方
 受講生には、講義中は、わたしの話だけを聞いて欲しいと思っている。そこで、ノートを作成する手間を省くために、わたしは、わたしが講義の時に使用する講義原稿を「講義案」として全てホームページ上で公開する(アドレスは1回目の講義で告知する)。したがって、講義自体はわたしの「講義案」をもとに行う。
教科書・参考書等
 講義は私が作成した「講義案」を用いて行うが、この講義案は、野村豊弘『民事法入門[第5版]』(有斐閣、2007年)をベースにして作成したものであるので、何か1冊、副読本としてテキストが欲しいと考えるのであれば、この本の購入を勧める。
成績評価の方法・基準
 成績は学期末のテストによって決定する。
 講義案の各講の終わりに〔キーワード〕として挙げてある用語がある。学期末試験は、この用語のいくつか(10個程度)を説明してもらう予定である。なお、ここで挙げた用語はすべて金子宏他編『法律学小辞典(第4版)』(有斐閣、2004年)に掲載されている。学習にあたっては、この『小辞典』で調べて、それを覚えて欲しい。
 出席は、気が向いたときにとるかもしれない。出席点は、試験で合格点(60点)に達しなかった者に対する救済策(レポート)の付与の有無を判断するにあたり、利用するつもりである。
その他(質問・相談方法等)
 学習にあたっての質問は随時受け付けている。メール(kayama【アットマーク】law.kyushu-u.ac.jp)でも構わないし、直接箱崎の研究室に来てもらっても構わない。講義終了時の質問も可である。アポは不要。
過去の授業評価アンケート