この講義科目では、21世紀の世界経済および政治の中核としてこの地域が台頭する可能性について考察することに始まり、東アジア諸国の国際社会における地位の確立と21世紀の国際政治および経済における役割の可能性について詳細に述べていく。これに並行して、まず、地域主要国の2カ国間関係の変遷を今日の問題と冷戦後の環境に焦点を置き広範囲に検証する。次に、冷戦の終焉以降見られる東アジア地域の新しい秩序を把握するため、同地域において重要な役割を果たしてきた米国、日本、中国、ロシアの関係変化を双方関係という次元で検討する。 将来、東アジア地域の安定と繁栄を脅かしうる要因と看做されている朝鮮半島問題、台湾海峡問題、および南シナ海(South China Sea)問題についても検討する。最後に、この講義は21世紀の東アジア地域秩序を模索する脈絡で、脱冷戦期に加速化している地域経済統合の動きが、この地域の安全保障秩序に及ぼす影響についても分析しながら、東アジア地域における日本の役割についても特別な関心を寄せていく。
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