日本法制史特殊講義

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
日本法制史特殊講義
標準年次
3・4
講義題目
日本法制史特殊講義
開講学期
前 期
担当教員
林 真貴子  
単位数
2単位
教  室
102
科目区分
展開科目
履修条件
特になし。
授業の目的
本講義は、日本においては明治期に初めて出現したリーガルプロフェッション(法専門職)について、その生成過程と社会での定着過程とを分析し、日本の法専門職養成の歴史的特質を明らかにすることを目的とする。具体的にはまず、(1)近代日本における西洋型裁判制度の形成とその特質、(2)裁判制度形成過程における実際の裁判の態様と法専門職との関わりについて理解を深め、次に、(3)欧米と日本とのプロフェッション概念の差異を検討しつつ、日本において前近代に裁判実務に携わった人々のあり方と近代以降の法専門職のあり方との違いを明らかにした上で、(4)明治期以降の法専門職制度の設計や教育・試験システムを学び(制度論+実態論)、法専門職制度の定着・発展過程を検討する。
本講義を通じて、日本のキャリア裁判官システムはいかにして形成されたのか、日本の弁護士の特徴の一つと言われている「社会正義」への拘り(依頼者利益の最大化よりも)がなぜ生まれたのか、弁護士法第72条の歴史的系譜等を理解し、これからの法律家の在り方を考える一助となるようにしたい。



授業の概要・計画
(1)近代日本における西洋型裁判制度の形成過程
@行政と司法との分離、民事と刑事との峻別の実現
A裁判所機構の整備、司法官僚制の形成
B法典編纂と法学の成立
(2)明治前期の裁判・裁判所の実態(法典編纂過程を中心に)
@裁判所建築・法律家の服装など外形的整備
A民事裁判、刑事裁判の実態:数量的把握
B 判決手続・執行手続の整備
(3)プロフェッション論の検討・・・法専門職とはなにか、日本の特徴は?
@欧米と日本のプロフェッション概念
A法専門職養成制度の歴史的類型と日本の裁判実務
B近現代日本の法専門職制度と法専門職人口の変化
(4)近代日本における法専門職制度の設計
@プロフェッション内部の階層性・医療専門職との比較
A法専門職養成制度の整備
B弁護士法第72条の歴史的系譜・・・非弁活動排除のプロセス 
C具体的な弁護士の諸活動を通じて
授業の進め方
授業の進め方については、受講生の人数やその興味関心などを考慮し、柔軟に対応したい。
教科書・参考書等
レジュメを配布する。参考図書は別途指示する。
成績評価の方法・基準
筆記試験および平常点。

その他(質問・相談方法等)
【日程・教室】9/9〜12(102講義室)。9/9は3〜5限。9/10〜11は1〜5限。9/12は1〜2限。

履修登録方法等については,6月中旬頃に法学部掲示板でお知らせします。
過去の授業評価アンケート