中国法

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
中国法
標準年次
3・4
講義題目
現代中国法概論
開講学期
前 期
担当教員
西 英昭
単位数
4単位
教  室
203
科目区分
展開科目
履修条件
 特にありません。(中国語はできなくても問題ありません。書くまでもありませんが講義は日本語で行います。)
授業の目的
 オリンピック・イヤーに沸く中国ですが、その背後に多くの問題を抱え、ほかならぬ中国人自身が多くの問題について悩み続けていることもまた事実です。中国との関係が過去なかったほどにまで密接となっている現在、我々にとって中国を正確に理解することは日に日にその重要性を増しています。他方でその正確な理解がこれほどまでに困難な国もありません。
 この講義では、日本法とは根本的に異なる中華人民共和国の法について、その前提を丁寧に抑えながら、中国が直面する様々な問題についての認識を深めていくことにしたいと思います。また台湾・香港についてもその基本的な法制度に言及します。
 中国という社会を単純化して捉えるのではなく、正確な情報に基づいて自分の頭で考え続けていくこと、その基礎を固める事を目的とします。
授業の概要・計画
 現代中国における主要な法制度を詳解するとともに、我々が特に誤解しやすい要素について重点的に解説します。特に中国は社会主義国であるということ、このことは大変重要ですし、相当の時間をかけて解説することになります。
 また現代中国法についての初歩的なリサーチ方法についても紹介し、初歩的な調査なら独力でできる程度の水準を身につけてもらいます。中国法務に興味のある方にはきっと役立つことでしょう。実務についてもその初歩を確認しておきたいと思います。
 台湾・香港についてもその法制度の基本を紹介します。
 暫定的な内容は以下の通りです。

 はじめに
 1:中華人民共和国法について
  憲法
   あゆみ/特徴と諸原理/国家機構/市民の基本的権利/法体系
  民事法制
   背景/民法通則/契約法/担保法/不法行為法/物権法/会社法
  中国ビジネスと法
   投資関係法制/渉外契約/紛争処理/仲裁
  諸法
   家族法/労働法/社会保障法/行政法
  司法制度
   裁判/検察/律師(弁護士)/民事訴訟
 2:台湾現行法について
  歴史/憲法/政治制度/裁判制度/法源論
 3:香港基本法について
 おわりに
 
授業の進め方
 レジュメ・参考資料などは配布します。通常の講義形式をとりますが、参加者の興味関心に応じては一部ゼミ・討論形式も導入します。なお講義の中で数回アンケートをとり、質問や希望を受け付けます。特にこの分野の話を重点的に聞きたいという希望のある方はこのアンケートを通じて、または講義の中で申し出ていただければ、可能な限り応じます。なるべく双方向的な授業を行いたいと思いますので、希望はどしどし出してください。
教科書・参考書等
 教科書として特に指定するものはありませんが、関心のある方のために以下の書籍を掲げておきます。これ以外の参考文献については講義の中で適宜紹介します。

 木間正道・鈴木賢・高見澤磨・宇田川幸則『現代中国法入門〔第四版〕』(有斐閣・2006)
 小口彦太・田中信行『現代中国法』(成文堂・2004)
 北村一郎編『アクセスガイド外国法』(東京大学出版会・2004)のうち「中国法」部分
成績評価の方法・基準
 試験により評価します。
その他(質問・相談方法等)
 質問のある方は講義終了後に受け付けます。また研究室を訪ねて下さっても構いませんが、不在の場合もあるので事前に連絡をいただければ幸いです。メールアドレスはh-nishiのあとに@law.kyushu-u.ac.jpです。
過去の授業評価アンケート