労働法

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
労働法
標準年次
3・4
講義題目
労働法
開講学期
前 期
担当教員
野田 進
単位数
4単位
教  室
101
科目区分
基盤科目
履修条件
民法総則および契約法を履修済みか、現在履修中であることが望ましい。
授業の目的
 労働法の基本的な体系と考え方を学ぶとともに、労働紛争に直面したときの解決能力の基礎を身につける。
終身雇用や企業別組合など、20世紀型の労使関係の枠組みが大きく変容した今日、労働関係の締結、展開および終了を、当事者間の契約で説明し、紛争解決するという理念が定着するようになった。その実体面での表現が、2008年3月より施行される「労働契約法」である。
一方、個別労働関係では労働紛争が噴出するようになり、法的な問題解決を迫られることが多くなってきた。2006年4月より、裁判所における個別紛争解決システムとして労働審判制度が開始されたのは、その手続面での現れである。
こうした労働関係法の変化の背景には、労働関係の枠組みの変化が横たわっている。労働者にとっては、これまでの長期的雇用システムのもとで、企業内部的・集合的な解決システムを期待することができない。企業にとっても、従来のように長期雇用を約束したシステムのもとで紛争を内部的・非法的な方法で解消することは許されない。また、厳しい雇用情勢の中でなされた処遇についての不満は、企業外部に持ち出され、当事者間の合意のあり方をめぐって法的な紛争解決が求められる。21世紀の労使関係は、日本において初めて「法化」され、その要請に応えうる紛争解決が必要になっている。今日求められているのは、労働法の正確な知識と、労働紛争の解決能力である。
本授業では、そうした能力の獲得のために、労働紛争の実情や判例理論に即した、労働法の理解を深める。
授業の概要・計画
 教科書に即した授業計画とする。具体的には次のとおり。

 @講義の方式についての説明および打ち合わせ「労働法の見取図」/教科書第1章
 A「労働法のアクター」第2章
 B「労働条件の決定システム」第3章
 C「募集・採用」「労働契約の基本原理」/第4章
 D「平等原則」第5章
 E「就業規則」/第6章
 F「『非典型』雇用と外国人雇用」第7章
 G「労働組合」/第8章
 H「団体交渉」/第9章
 I「労働協約」/第10章
 J「賃金」第11章
 K「労働時間」第12章
 L「時間外労働・休日・休憩」第13章
 M「休暇・休業・休職」
 N「女性・年少者」
 O「安全衛生と労働災害」第16章
 P「配転・出向・人事考課」
 Q「労働契約の変更」
 R「紛争としての解雇」
 S「企業秩序と懲戒」
 21「争議行為」
 22「不当労働行為」
 23「労使紛争の解決手段」
 24「労働契約の終了」、「再就職と引退」
 
授業の進め方
 授業では、あらかじめ次回に用いる判例要約とレジュメを配布するので、学生はそれをよく読んで準備しておくこと。
 なお、レジュメは、簡単な質問の形式になっているので、それに応えることができるような準備が望ましい。できるだけ、学生が発言できるような工夫をしたい。
教科書・参考書等
 中窪裕也・野田進・和田肇著『労働法の世界(第7版)』(有斐閣、2007年(2008年追補付き))
成績評価の方法・基準
 期末試験を行う
その他(質問・相談方法等)
 授業終了後または研究室において随時質問・相談を受け付ける。研究室の場合は、電話やeメールであらかじめ連絡してください。
過去の授業評価アンケート