●(国際)知的財産法特殊講義

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
●(国際)知的財産法特殊講義
標準年次
3・4
講義題目
商標法・不正競争防止法
開講学期
後 期
担当教員
小島 立
単位数
2単位
教  室
102
科目区分
展開科目
履修条件
本講義は隔年開講です。次の開講は2010年度後期を予定しています。

積極性溢れる受講生の参加を望みます。なお,知的財産法(特許法・著作権法)に関する講義を聴講していることを前提として講義を致します(受講前に,前期の「知的財産法」の内容を復習されることをお勧め致します)。
授業の目的
1.概要

 本講義では,前期の「知的財産法」の講義において,時間的な制約のために扱うことができなかった,商標法と不正競争防止法(営業秘密を除く)の概説を行ないます。
 知的財産法の一般的な事柄に関する授業担当者の考えは,前期の「知的財産法」のシラバスに詳述しましたので,ここでは繰り返しません。

2.商標法・不正競争防止法の果たす機能

 商標法と不正競争防止法は,ともに「標識の保護」という重要な機能を営んでおり,企業のブランド戦略等を考える上で欠くことのできない存在になっています。いくら優秀な発明や著作物が存在したからといって,それだけでヒット商品が生まれるのではなく,かかる知的創作物にどのような付加価値をつけて販売するのかということが,以前にも増して重要視される現在,標識の法的保護を検討することは,大変に興味深いといえましょう。
 また,不正競争防止法には,標識の保護だけでなく,商品形態の模倣や営業誹謗行為といった不正競争行為を禁圧する類型が含まれており,これらと他の知的財産法制度との関連性を考察することも,知的財産法の理解を深める上で,大変に有意義なことであると思われます。
 
3.本講義の目的

 本講義においては,特許法や著作権法といった,いわゆる「創作法」の世界のみを眺めていたのでは見えてこない知的財産法の新たな側面を,参加者の皆さんと一緒に探求し,知的財産法に対する見方を,より立体的なものとすることができればと思っています。その意味で,本講義は,知的財産法のいわば「応用編」に当たるとお考え下さい。
授業の概要・計画
本講義では,主に商標法と不正競争防止法を扱います(全13回)。

講義の前半に商標法(8回),後半に不正競争防止法(4回)の説明を行ないます。

また,知的財産法が現実社会で果たす機能について実感を持っていただくために,実務家の方にご講演いただくことを検討しています(1回)。詳細が決まりましたらお知らせ致します(上記の回数はあくまでも予定ですので,変更の可能性があります。ご了解下さい)。

なお,商標法における審判や審決取消訴訟といった手続面や,権利侵害に対する救済(差止め・損害賠償等),不正競争防止法における営業秘密の保護などに関しては,前期の「知的財産法」における説明と重複する部分が多いので,適宜,省略します。
授業の進め方
事前に教科書(下記に掲げる『商標・意匠・不正競争判例百選』)の該当部分を指示しますので,それを読んだ上で,授業に臨んで下さい。
 
できる限り,商標法,不正競争防止法の掲載されている六法を持参するようにして下さい(ちなみに,『コンパクト六法』や『ポケット六法』には,商標法の条文は掲載されていないはずです)。六法に商標法や不正競争防止法の条文が掲載されていない場合には,条文のコピーを必ずご持参下さい。
教科書・参考書等
1.教科書

以下のものは,授業の際に参照しますし,期末試験の際に持ち込みを認めますので,必ず購入して下さい。

中山信弘=大渕哲也=茶園成樹=田村善之編『商標・意匠・不正競争判例百選』(有斐閣,2007年)

2.参考文献

下記以外の参考文献については,授業の際に詳しくご紹介します。

(1)平尾正樹『商標法〔第1次改訂版〕』(学陽書房,2006年)
(2)田村善之『商標法概説〔第2版〕』(弘文堂,2000年)
(3)末吉亙『新版 商標法』(中央経済社,2008年)
(4)田村善之『不正競争法概説〔第2版〕』(有斐閣,2003年)
(5)山本庸幸『要説不正競争防止法〔第4版〕』(発明協会,2006年)
(6)渋谷達紀『知的財産法講義V 不正競争防止法・独占禁止法上の私人による差止請求制度・商標法・半導体集積回路配置法』(有斐閣,2006年)

3.知的財産権六法・知的財産権法文集

教科書指定はしませんが,知的財産法の関連条文が詳細に掲載されているものとして,以下のものを掲げておきます(これも期末試験の際に持ち込むことが可能です)。

(1)『平成19年改正知的財産権法文集 平成20年4月1日施行版(薄群青色)』(発明協会,2008年)
(2)角田政芳編『知的財産権六法 平成20年版』(三省堂,2008年)
成績評価の方法・基準
期末試験により成績評価を行ないます。その際,

1.教科書(『商標・意匠・不正競争判例百選』)
2.六法・知的財産権法文集(判例付きも可)あるいは条文のコピー
3.講義で配布したレジュメ
4.自筆ノート(ノートに関してはコピーは不可)

に限り,持ち込みを認めます。これらのものへの書き込みは構いません。
その他(質問・相談方法等)
授業に関して不明な点がありましたら,小島までお尋ね下さい(メールアドレスは,kojima[アットマーク]law.kyushu-u.ac.jp)。
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