民法 II 【債権各論】

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
民法 II 【債権各論】
標準年次
2
講義題目
債権各論
開講学期
後 期
担当教員
田中(教 雄)
単位数
4単位
教  室
大講
科目区分
基盤科目
履修条件
 民法Tを履修していることが望まれます。
授業の目的
 債権各論全般にわたる基礎的な知識を習得するとともに,その主要な法制度の趣旨・機能について,深く理解することを目的とします。各種試験にすぐに役立つ知識や実務に直結した知識を暗記するのではなく,法曹としてのみならず企業法務や契約実務において未知の事案に直面した際に考え方の拠り所となるような知識や適切な解決策を考え出すことを可能にする能力を獲得することが目的です。
 講義の重点は,主要な法制度の趣旨・機能の理解にあるので,法科大学院の入学試験,各種資格試験,公務員試験等の受験を予定している場合は,試験向けに別途各自で勉強する必要があります。
授業の概要・計画
 民法第3編「債権」第2章「契約」第3章「事務管理」第4章「不当利得」第5章「不法行為」が講義対象ですが,受講者の進路が多様であることなどに配慮し,逐条的な解説や網羅的な講義は行ないません。債権各論の基礎的な知識については,各自で学習してもらいます(自習用に,テキストに即した「穴埋め問題」も作成していますので,それを利用してください)。
 教科書を覚えればよいという授業は行いません。教科書の基礎となっていること,あるいは,日本法の歴史的・比較法的な状況を明らかにします。すなわち,自習を前提に,取り上げる法制度を限定し,その趣旨・機能を,適宜,ローマ法や現行民法の立法過程にも遡り,解説します。可能であれば,ドイツ民法やフランス民法,さらには,国際的な私法の統一を企図している原則や条約なども参照します。また,いくつかの重要判例を取上げ,条文が具体的な事実に適用される際の問題点などについても言及します。
 今のところ,次のような事項を取り上げる予定です。
第1回 はじめに
第2回 契約締結上の過失
第3回 契約の方式
第4回・第5回 契約の成立
第6回・第7回 契約の解釈
第8回 普通取引約款
第9回・第10回 危険負担
第11回・第12回・第13回 契約の解除
第14回 贈与
第15回 他人物売買
第16回・第17回 瑕疵担保責任・消費貸借
第18回・第19回 賃貸借
第20回 労務供給契約
第21回・第22回 不当利得
第23回・第24回 不法行為
第25回 使用者責任(授業評価)
第26回 共同不法行為
授業の進め方
 後日公開予定の「資料」を素材として,講義形式で行ないます。
 予習なしでも理解できるように講義する予定ですが,内容がローマ法や外国法に及ぶ場合があることから,教科書・資料に事前に目を通しておくことを推奨します。
 講義には,教科書・六法・各自でダウンロードした資料を必ず持参してください。
教科書・参考書等
 藤岡康宏ほか『民法W―債権各論〔第3版〕』有斐閣Sシリーズ(予定)
 基本的な知識については,教科書を基準とします。「穴埋め問題」は,この教科書に即して作成しています。
 講義の「資料」ならびに「穴埋め問題」は,別途,pdfファイルを公開する予定です(URLなど必要な情報は後日掲示します)。各自でダウンロードして講義に必ず持参してください。
 参考文献については,適宜指示します。
成績評価の方法・基準
 定期試験のみで行ないます。
 定期試験では「基礎的な知識を問う問題」と「論述問題」を出題します。
 「基礎的な知識を問う問題」では,主に教科書を素材にして,講義で取り上げなかった部分も含めて,債権各論全般にわたって問題を出題します。60%以上(予定)の得点をしなければ,論述問題は採点しません。
 「論述問題」は,講義で取り上げた主要な法制度について詳細な論述を求める問題を出題します。授業の目的は,債権各論の主要な法制度の趣旨・機能の理解にありますので,それらを正確に理解しているかどうかを重視します。教科書を暗記しているだけでは高い評価は得られません。何が,なぜ問題とされているのか,それについてどのような議論がされているのか等について論述することが必要です。
 定期試験の点数は,「基礎的な知識を問う問題」に50点を配点し,論述問題に50点を配点します。定期試験における得点を基礎に,60点以上の者について,優3割,良4割,可3割を目安とした相対評価を行います。
その他(質問・相談方法等)
 質問などについては,授業終了後に受け付けるほか,オフィス・アワーを利用してください。
 オフィス・アワーは,火曜日18:00〜19:00,木曜日12:10〜12:50です。メールによる予約を推奨します。
 研究室は,法学部棟1階です。
過去の授業評価アンケート