履修条件 |
特にありません。 |
授業の目的 |
●刑事法領域におけるアクチュアルな諸問題を理解、検討する。 ある問題を検討する際に最も重要なことは、「なぜ、いま」その問題を扱うのか、です。この視点を欠いたままでは、せっかくの学説や理論もただの暗記対象になりかねません。従って、これから皆さんが高年次で本格的に法学理論を学ばれる前に、それが現実社会とどのようなつながりを持ち、どのような社会問題と関連しているのか、といった点を刑事法の領域で確認します。このように刑事法の諸論点を身近な現実問題として把握したとき、皆さんは既に門の「一歩手前」から「一歩前へ」と進んでいることでしょう。 ●法的検討に必要な基礎能力を身につける。 以上のように問題を理解し、深めていくには、資料の精確な読解と論理の構築、並びにそれに基づいた議論を通じての展開が必要不可欠です。従って皆さんには一定量の文献を読み込み、自己の見解を報告というかたちでまとめ、それを基に議論を交わすことで、これらの能力を高めていただきます。
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授業の概要・計画 |
●授業の概要 本演習では刑事法におけるアクチュアルなテーマを取り上げ、それを様々な立場から照射します。それは単に賛成、反対の立場に限らず、為政者の視点、一般市民の視点、被害者の視点、被告人の視点など多くのものが想定できるでしょう。皆さんには想像の翼をはばたかせて種々の角度からこの問題にアプローチして頂きたいと思います。近時耳目を引いている問題をアト・ランダムに列挙するだけでも、 ・まもなく開始される裁判員制度 ・日々メディアを賑わす犯罪報道 ・叫ばれる体感治安の悪化と「安心・安全」のまちづくり ・飲酒運転に対する厳罰化の流れ ・死刑制度の是非 など、検討の素材は豊富にあります。これら刑事法上の諸問題につき、各自の興味関心を引くテーマにつき丹念に調べ、議論することで、これまで知らなかった様々な「現実」の位相が確認でき、そこから「私たち」がなぜ刑事法を学ぶのかという問題に逢着するはずです。この過程を通じて、刑事法の諸問題を分析するために必要な論理と感性の両面が磨かれることになりましょう。
●授業の計画 第一回目はオリエンテーションに充てますが、演習の概要、報告および議論の具体的方法の説明、参加者の自己紹介などともに、今後の報告担当の割り振りも行います。よって、第一回目までに必ず指定テキストを一読し、そこで扱われているテーマの中から自分の興味・関心の高かったものをいくつかピックアップしておいてください。皆さんの希望を基に報告担当を決めます。 第二回目は予備作業として、刑事法の基本原則とは何か、そしてとりわけ刑事法において基本原則が重視されねばならないのはなぜか、といった点について、教員が説明を加えつつ全員で検討します。もちろんここでは一般的な確認に留まりますが、その重要性は第三回目以降、個別問題を論じるなかで肉付けされていくでしょう。 第三回目以降はいよいよゼミ形式で進めます。その回の報告担当者が報告した後、そこで挙げられた論点について議論し、当該問題のより深い理解を全員で共有できることを目指します。
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授業の進め方 |
第三回目からは以下の流れで進めていきます。 まず、報告担当者が20分程度の報告を行います。その際、報告者は報告内容をまとめたレジュメを必ず用意してください。 次いで、残りの時間は、その報告で提示された論点や報告者の見解について全員で議論します。もちろん、報告内容についての意見、指摘に対しては、報告者以外も考え、応えていく姿勢が必要です。 なお、参加者による司会の有無、ディベート方式の採否等は議論状況に応じて決めますが、さしあたりはどちらも採用せず、皆さんの丁々発止の議論に期待したいと思います。
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教科書・参考書等 |
●指定テキスト 内田博文・佐々木光明〔編〕『<市民>と刑事法 第2版』(日本評論社、2008年) ※第一回目までに必ず一読してきてください。 ●参考図書 前田朗『刑事法再入門』(インパクト出版会、2007年)など。 そのほか、皆さんと協議し絞り込んだテーマに応じて随時お知らせします。 また、必要な雑誌論文等の資料も適宜配布する予定です。
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成績評価の方法・基準 |
出席状況、報告内容ならびに議論への参加度によって評価します。 |
その他(質問・相談方法等) |
質問・相談に関しては、 sakuraba【アットマーク】law.kyushu-u.ac.jp また、法学府第8研究室まで直接お越し頂いても構いません。
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過去の授業評価アンケート |
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