地域研究

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
地域研究
標準年次
3・4
講義題目
朝鮮民主主義人民共和国の政治外交史
開講学期
前 期
担当教員
宮本 悟  
単位数
4単位
教  室
203
科目区分
展開科目
履修条件
特になし
授業の目的
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は日本の近隣国の一つであるが、国交がないばかりでなく、経済交流や人的交流が大きく制限されており、日本の一般社会ではその実態についてあまり知られていない。そこで、本授業では、朝鮮労働党、指導者、立法機関と行政機関、軍隊を中心に、北朝鮮の政治史を学んでいく。権力と政策の変遷を強調し、北朝鮮の政治制度がいかに変化してきたかを把握することで、現在の北朝鮮の全体像について理解することを目的とする。
さらに、本授業では、北朝鮮の外交史についても学んでいく。米国と対立する社会主義陣営の一員であった北朝鮮は、1960年代の中ソ対立を経て非同盟主義外交に移るが、冷戦崩壊によって北東アジアで孤立した存在となる。北朝鮮を取り巻く国際環境の変化と北朝鮮の外交政策の変遷を辿りながら、核兵器開発に至った原因を理解することを目的とする。
授業の概要・計画
講義の前半は政治史について講義する。後半は外交史について講義する。外交史には、軍事外交(派兵や武器援助など)も含まれる。講義する北朝鮮の政治外交史の期間は1945年から現在までである。
北朝鮮の政治を理解するには、社会主義体制についての一定の知識が必要であるため、前半講義の最初では基本的な社会主義体制について解説する。その後、実際の北朝鮮の政治史について講義を進める。
北朝鮮の外交を理解するには、リアリズムと核抑止論についての一定の知識が必要であるため、後半講義の最初では基本的なリアリズムと核抑止論について解説する。その後に、北朝鮮の外交史について講義を進める。その他、現在の北朝鮮の政治制度や外交政策についても説明を加える。具体的な授業計画については、授業の中で説明する。
授業の進め方
プリントを配布し、それに沿って授業を進める。所々で、北朝鮮の映像を見ながら解説する。ただし、社会主義や北朝鮮の歴史に関する予備知識に自信がない場合には、下記の参考文献を開講前に読むことを薦める。
教科書・参考書等
参考文献:
  関嘉彦『社会主義の歴史2』(力富書房、1987年)257頁以降。
中川雅彦「南北の民主主義論と統一案」岩崎育夫編『アジアと民主主義―政治権力者の思想と行動―』(アジア経済研究所、1997年)39-64頁。
徐大粛著、林茂訳『金日成―思想と政治体制―』(御茶の水書房、1991年)

成績評価の方法・基準
論述形式の筆記試験を行う。プリントや自筆ノートの持ち込みは可能。
その他(質問・相談方法等)
注意:本講義では、イデオロギーの側面は排除し、可能な限り政治学や歴史学に沿って講義を進める。従って、本講義では、根拠なく北朝鮮を礼賛することや非難することは控えること。
過去の授業評価アンケート