行政学演習

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
行政学演習
標準年次
3・4
講義題目
公共政策と地方自治
開講学期
通 年
担当教員
嶋田 暁文
単位数
4単位
教  室
304
科目区分
展開科目
履修条件
@毎回欠かさず出席する「熱意」
A報告等の際に決して手を抜かない「実直さ」
B公共政策と地方自治をめぐる動きに関心を払い、その重要性を学びたいという「向上心」

これらを有していれば、現段階での学識のレベルは問いません。
授業の目的
日々、報道されているように、世の中には問題が絶えません。
社会を制御することによってそうした問題の発生を抑制したり、解決したりするのが、「公共政策」です。
そして、「公共政策」を実施する上で重要なアリーナとなっているのが「地方自治」です。

「よりよい公共政策とはいかなるものなのか」
「公共政策を立案・実施していく際に、市民と行政はどのような役割分担をしていくべきなのか」
「中央地方関係はどのようにあるべきなのか」
「地方自治をめぐる問題点にはどのようなものがあるのか」
こうした問題を考えるのが、このゼミの目的です。

最終的にゼミ論文(400字×30〜50枚程度)を執筆してもらい、それを論文集としてまとめます。
(4年生の場合および3年生のうち単年度受講を希望する人の場合は1年目で、3年生のうち2年間受講する予定の人は2年目で提出します。)
論文提出予定者には、12月末に一旦論文を提出してもらいます。
私がそれに赤を入れて、年明けに返却しますので、年度末に修正した論文を再提出してもらいます。

「知識の蓄積」だけでなく、「物の見方」や「論理的思考」を身につけてもらいたいと思っています。
授業の概要・計画
公共政策を学ぶには、さまざまな分野の知識が必要です。
そこで、年間を通じて、知識や論理的思考を獲得することを目的として、<行政学><地方自治論><組織論><政策法学><現代政治・社会論><公共哲学>に関する書籍を輪読します。

夏と春先の計2回、ニ泊三日でゼミ合宿を行います。
(ちなみに、例年、夏春いずれか1回は、グリーンツーリズムで有名な大分県安心院に行き、現地ヒアリングをしています。)

そのほか、@福岡近郊で実際に生じている公共的課題の現場へのヒアリング(過去においては、移送サービスをめぐってNPOの方々にお話を伺ったり、愛宕浜マンション問題をめぐって現場住民の方にお話を聞きに行きました。)
A他大学のゼミとの合同ゼミの実施(2007年度は大阪市立大学の北村亘ゼミと合同ゼミを実施)
なども随時入れます。

要するに、理論と現実の双方を扱い、また、机上の学問にとどまらず現場をも大事にするのが、このゼミの特徴です。
授業の進め方
毎回、担当者にレジュメ報告してもらい、それを受けてみんなで議論をします。
教科書・参考書等
今のところ、以下の書籍を輪読する予定です。

<行政学>
・中島誠『立法学(改訂版)』法律文化社、2007年。
・佐竹五六『体験的官僚論』有斐閣、1998年。
・城山英明ほか『中央省庁の政策形成過程』中央大学出版会、1999年。
・城山英明ほか『続・中央省庁の政策形成過程』中央大学出版会、2002年。

<地方自治論>
・今村都南雄編『現代日本の地方自治』敬文堂、2006年。
・森田朗・田口一博・金井利之編『分権改革の動態』東京大学出版会、2008年。
・小西砂千夫『地方財政改革の政治経済学―相互扶助の精神を生かした制度設計』有斐閣、2007年。

<組織論>
・森脇俊雅『集団・組織』東京大学出版会、2000年。
・戸部良一ほか『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』中公文庫、1991年。

<政策法学>
・鈴木庸夫『自治体法務改革の理論』勁草書房、2007年。

<現代政治論>
・村松岐夫=久米郁夫『日本政治 変動の30年』東洋経済、2006年。

<公共哲学>
・土場学=盛山和夫『正義の論理―公共的価値の規範的社会理論』勁草書房、2006年。
・斉藤純一『政治と複数性』岩波書店、2008年。
成績評価の方法・基準
出席60%、報告内容25%、質疑への参加15%
その他(質問・相談方法等)
最後まで全うしていただければ、思考能力・知識の倍増は保証します。
やる気のある方の参加をお待ちしています。
過去の授業評価アンケート