◇憲法 I 【統治機構論】

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
◇憲法 I 【統治機構論】
標準年次
2
講義題目
憲法総論・統治機構論
開講学期
越 年
担当教員
村西 良太
単位数
4単位
教  室
大講
科目区分
基盤科目
履修条件
憲法学は、おそらく皆さんの予想以上に奥が深く、難解です。
漫然と講義を聴くことがないように、十分な予習と復習を心がけてください。
授業の目的
・憲法学の全体像を把握し、統治機構論の意義と課題を確認すること。日本国憲法が予定する国政遂行のメカニズムを、自分のことばで説明できるようになること。

・憲法学にかぎらず、「唯一の正解」を「覚える」ことが勉強の目的ではありません。簡単な解決を許さない諸問題について、大いに悩み、思索を深めることができる講義になればと考えています。
授業の概要・計画
原則として、講義計画(最初の授業において提示)に沿って進めます。

なお、今期1回目となる第14講(4月14日)では、これまでの復習を兼ねて中間試験の講評をおこないますので、かならず試験問題を持ってきてください。念のため、講義計画を以下に再掲しておきます。

第1講 憲法学への招待 (「憲法」という概念、統治機構論と人権論)
第2講 立憲主義と法の支配 (立憲主義の展開、法の支配、法治主義)
第3講 憲法の規範構造 (最高法規性、憲法と法令、憲法と条約)
第4講 憲法制定権力 (主権の所在、憲法制定権力、憲法改正権)
第5講 憲法の変動と保障 (憲法の改正とその限界、憲法変遷)
第6講 国民主権と民主主義 (国民主権、民主制の諸類型、代表)
第7講 国民代表と政党 (代表観念と政党の位置づけ、政党法制)
第8講 権力分立論 (権力分立の意義、国家機関/国家作用)
第9講 議院内閣制 (議院内閣制の沿革、構造、特質)
第10講 選挙・投票・選挙制度 (選挙制度の区分、選挙制度の分析視角)
第11講 戦争の放棄 (統治機構論のなかの9条)
第12講 伝統的権力分立図式(1) (国会=「立法権」、「唯一の立法機関」)
第13講 伝統的権力分立図式(2) (内閣=「行政権」、行政と執政)

-------------ここまで既に終了、以下2009年度前期-------------

第14講 中間試験の講評 (前期の復習を兼ねて)
第15講 新しい権力分立図式(1) (「最高機関」としての国会、両院制)
第16講 新しい権力分立図式(2) (「国務の総理」機関としての内閣)
第17講 国家作用(1) (法律の制定、法律と命令、委任立法の限界)
第18講 国家作用(2) (予算の作成と議決、条約の締結と承認)
第19講 日本国憲法における議院内閣制(衆議院の解散)
第20講 地方自治の統治構造(住民・首長・地方議会、法律と条例)
第21講 司法権と裁判所(1) (裁判所=「司法権」、事件性と法律上の争訟)
第22講 司法権と裁判所(2) (裁判所の組織構造、司法権の独立)
第23講 違憲審査権(1) (違憲審査制の類型、客観訴訟と司法審査)
第24講 違憲審査権(2) (違憲審査権の限界、統治行為と司法審査)
第25講 違憲審査権(3) (憲法判断の回避、違憲判断の回避)
第26講 講義の総括に代えて (司法審査の民主的正統性→立憲主義と民主主義、授業評価アンケート)

授業の進め方
大講義室における授業であることを考えると、教師による説明が中心とならざるをえないでしょう。

各回にレジュメを準備するつもりですが、講義内容を詳細に記述することはありません。重要だと思われる箇所は、各自ノートをとるようにしてください。
教科書・参考書等
教科書として、芦部信喜・高橋和之補訂『憲法〔第四版〕』(岩波書店・2007年)を薦めます。これ以外の概説書(初回の授業において紹介します)でも構いませんが、必ず一冊、定評のある体系書を購入すること。

また、高橋和之=長谷部恭男=石川健治編『憲法判例百選U〔第5版〕』(有斐閣・2007年)もしばしば参照を指示します。
成績評価の方法・基準
中間試験(実施済・30点満点)、および期末試験(2009年度前期末・100点満点)の合算(130点満点)によって評価します。100点を超えた場合には「100点」として評価します。
その他(質問・相談方法等)
メールによる質問を受けつけるほか、研究室在室中は原則としていつでも対応します。後者の場合、(メール等により)在室の時間を事前に確認していただく方が確実でしょう。
過去の授業評価アンケート