政治動態分析 II ・発展【国際政治学】

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
政治動態分析 II ・発展【国際政治学】
標準年次
3・4
講義題目
ナショナリズム基礎論
開講学期
前 期
担当教員
石田 正治
単位数
4単位
教  室
102
科目区分
展開科目
履修条件
とくになし
授業の目的
ナショナリズムという言葉は、一般には国家の強硬な対外政策や国家主義による国民の国家への絶対的服従などを意味するものとして使われるが、これは本質を捉えたものではない。ナショナリズムは、近代国家の構成原理であり、そのことによって、近代世界の様相を規定する根本要因の一つである。そうであるからこそ、民主主義や基本的人権が語られる時代において、世界規模の戦争と局地紛争のなかで膨大な人間が抹殺されるということが、現実になるのである。このナショナリズムについて理論的理解を深めることが、授業の目的である。
授業の概要・計画
授業は、ナショナリズムを近代的文化システムを構成する基本要素として位置づける、ベネディクト・アンダーソンの議論を中心として、数名のナショナリズムの理論家の議論と社会哲学、社会心理学などの関連する諸分野の理論をも参照しながら進めるが、今年度は、ナショナリズムのもつ共同体的性格と規律訓練権力の側面とに重点をおきたい。
授業の進め方
アンダーソンの『想像の共同体──ナショナリズムの起源と流行』は、いまや古典的な意味をもつにいたった名著だが、これを基本テキストとして、基本的にはその議論を追いながら進めることにするが、他のナショナリズム理論や他分野の議論を、適宜おりこむことにする。
教科書・参考書等
ベネディクト・アンダーソン『増補版 想像の共同体──ナショナリズムの起源と流行』、NTT出版。
いくつかの参考図書・参考文献は、授業の進行に応じて、適宜紹介する。
成績評価の方法・基準
筆記試験をおこなう。
評価にあたっては、近代世界の形成過程とそれにまつわる諸概念とをどこまで正確に理解しているかどうか、論述が論理性をもっているかどうかという点を重視する。
その他(質問・相談方法等)
質問などは授業中も授業の終了後の教室でも受け付けるが、研究室に来訪することも可能である。ただし、来室する際には、前日までに電話(642−3197)で予約をとること。
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