履修条件 |
高校の世界史A/B・日本史Aの教科書を、とりわけ近代史以降を中心に、必ず最低一度は通読しておいてください。 |
授業の目的 |
本講義の目的は、以下の3点に集約されます。 1.法学部の学生として最低限必要な近現代史の基礎的な史実を紹介する。 2.20世紀の歴史的な流れを大まかに紹介し、把握させる。 3.政治史の理論や分析概念並びにその歴史観を幅広く紹介し、理解させる。 以上です。 |
授業の概要・計画 |
本授業は、第T部(各論)と第U部(総論)に分けて行います。 第T部では、各論として、主に制度論的な観点からみた政治史について取り上げます。特に政治と法との関係に着目しながら、ナチズムとドイツ司法権との関係について取り上げます。そこでは、政治権力と司法権力との緊張関係について法制度や合法性に着目しながら、検討していきます。権力分立の制度的な意味を具体的な歴史的な事例を通じて再検討していくことが第T部の目的でもあります。 第U部では、政治固有のダイナミズムやプロセスに着目した政治過程論的な政治史を取り扱います。その際、ヨーロッパの20世紀政治史をマクロに概観していきます。そこでは、グランドセオリーである「世界システム」論的観点並びに「国家社会主義」的な観点から、ヨーロッパ20世紀の政治史外交史を概観していく予定です。とりわけ第一次世界大戦と第二次世界大戦を中心に検討していきます。最後に補論として基礎的な政治過程論である争点アプローチを利用しながら、世界大恐慌期における自由貿易か保護貿易かをめぐるドイツの通商政策をめぐる政治過程やその史的展開について取り上げます。そこでは、いかにしてドイツは恐慌からの脱出を図ろうとしたかを考えます。 現段階では、以下の計画に基いて、授業を行う予定です。
プロローグ 第T部「制度論的政治史」―政治と法― 第1章 ナチ党の合法性問題とライヒ・テューリンゲン紛争 第2章 東西ドイツ司法と「過去の克服」 第U部 政治過程論的政治史―ヨーロッパ20世紀政治史― 第1章 グランドセオリーとしての「世界システム」論 第2章 ドイツ帝国の「世界強国」への道と第一次世界大戦 第3章 ナチスの台頭と第二次世界大戦の勃発 補論 世界大恐慌期におけるドイツ通商政策の史的展開 エピローグ |
授業の進め方 |
講義形式となります。 講述と板書を中心に授業を進めていきます。 |
教科書・参考書等 |
【参考図書】 ・熊野直樹・星乃治彦編『社会主義の世紀』(法律文化社、2004年) ・石川捷治・平井一臣編『終わらない20世紀』(法律文化社、2003年) ・田村栄子・星乃治彦編『ヴァイマル共和国の光芒』(昭和堂、2007年) 【課題図書】 ・熊野直樹ほか5名著『政治史への問い/政治史からの問い』法律文化社、2009年。 |
成績評価の方法・基準 |
レポート(30点)と定期試験(70点)との総合によって評価します。 レポートの課題は、以下の通りです。 【課題】熊野直樹ほか5名著『政治史への問い/政治史からの問い』法律文化社、2009年の書評。 ・分量:2000字程度(A4用紙で作成して下さい。) ・提出締切日:2010年1月12日(火)17時まで(時間厳守) ・提出先:学生第三係 以上です。
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その他(質問・相談方法等) |
冬休みのレポートとして書評を課します(成績評価の方法・基準を参照)。レポート提出をもって、定期試験の受験資格を付与しますので、くれぐれも注意してください。書評の書き方などは、授業において数回にわたり解説します。 |
過去の授業評価アンケート |
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