平和研究

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
平和研究
標準年次
3・4
講義題目
平和研究
開講学期
前 期
担当教員
池田 有日子  
単位数
4単位
教  室
103
科目区分
展開科目
履修条件
特になし。
授業の目的
「平和研究」という学問領域は、もちろん将来の紛争・戦争の「予防」「抑止」という側面も有しているが、同時にやはり具体的な「(武力・軍事的)紛争」をいかにして解決し長期的な平和を構築しうるのか、という問題を考察することを必要としている。そして、「いかにして(当該地域の)平和が可能か」という問題は、「当該紛争がいかにして生じたのか(場合によっては長期化するのか)」「その紛争を生み出した構造や歴史的条件とは何だったのか」という問いを解明したうえで、初めて具体的実効的にその紛争を解決し平和を構築しうるオールタナティブの手がかりを得ることができるといえる。
以上の問題関心を前提にして、本講義では、「パレスチナ問題」を中心的な題材として、「紛争」と「平和」について考察、理解することを目的とする。
授業の概要・計画
本講義では、第一に、国民国家の成立から1948年イスラエル建国に至る期間において、ヨーロッパのユダヤ人問題が中東におけるパレスチナ問題を生じさせるに至るメカニズムを、国民国家という政治制度の特質・機能を基軸にして、理解することを目的とする。その際、ユダヤ人国家を目指したシオニスト運動内に存在した、パレスチナ・アラブ人との「共存」を唱えた人々の政治制度構想などについても言及する(第一回目)。
第二には、ユダヤ人国家イスラエル建国以後、パレスチナ人がいかなる状況に置かれ、いかなる過程を経て1993年のイスラエルとパレスチナの「和平」をオスロ合意に至ったのか、を概観する。そのうえで、オスロ合意、中東和平プロセスが長期的「平和」という観点から、いかなる問題・限界を理論的現実的に内包していたのかを検証し、その破綻がイスラエル右派政党リクード党首シャロンのアル・アクサーモスク訪問という出来事のみに還元できるものではないことを示す。そのうえで、オスロ合意破綻以降のパレスチナ/イスラエルの状況を概観し、この地域における「平和」構築のあり方について考察したい。
授業の進め方
原則として、レジメを配布し、それに従って授業を進める。適宜、パワーポイントを使用し、また関連するDVD鑑賞も行う。
教科書・参考書等
教科書はない。参考図書については、集中講義の際に紹介する。
成績評価の方法・基準
筆記試験を行う。成績評価については、講義中に説明する。
その他(質問・相談方法等)
8/26〜28(1〜5限),9/6〜8(1〜5限)
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