●民事紛争処理入門

最終更新日:2017年8月21日

授業科目名
●民事紛争処理入門
標準年次
2
講義題目
民事手続の概観と基本的な考え方
開講学期
前 期
担当教員
上田(竹)・小池 (上田竹志・小池 泰)
単位数
2単位
教  室
大講
科目区分
入門科目
履修条件
特になし。
ただし、講義内容は「民法1」を履修中の2年生を念頭に構成します。
授業の目的
 この講義では、下記の「民事手続法」について、基本的な考え方を理解することを目的とします。
 民法等の「民事実体法」で認められる個々の権利義務は、物質的な存在ではなく、あくまでも観念的な、社会の約束事に過ぎません。それも、その約束事について当事者間に了解があれば、社会はスムーズに動いてゆきますが、当事者間で意見が食い違う場合には、その食い違いが「法的紛争」という形で顕在化します。
 このような場合、法的紛争を永続化させないためには、誰にどのような権利があるのか(ないのか)について、最終的な判断をして、その権利義務の内容を実現させる機関が必要だとされています。この機関が裁判所です。そして、権利義務の存否を判断し、それを実現させるための、裁判所内での一連の手続を、「民事手続」と総称します。この民事手続によって、民事の法的紛争は解決ないし処理されます。
 民事手続法は、裁判所がいかに民事手続を進めるかを定めた法領域です。民法等の民事法を深く理解するためには、ぜひとも理解しておかなければなりませんが、反面、非常に技術的な法領域であるという印象をもたれることもあります。この講義では、民事手続をできるだけわかりやすく、その基礎から解説します。
 今年度は、主に財産事件を念頭においた手続を上田(竹)が、家事事件を対象とする手続を小池が担当します。
授業の概要・計画
第1回 ガイダンス
第2回 裁判手続・実体法と訴訟法
第3回 司法権と裁判所
第4回 請求と訴え、当事者
第5回 訴訟手続(争点整理と証拠調べ)
第6回 判決とその効力
第7回 強制執行(1)
第8回 強制執行(2)、権利の保全
第9回 倒産処理(1)
第10回 倒産処理(2)
第11回 家事紛争処理(1)家庭裁判所制度
第12回 家事紛争処理(2)家事審判
第13回 家事紛争処理(3)家事調停
第14回 家事紛争処理(4)人事訴訟
第15回 予備日
授業の進め方
講義形式によります。
教科書・参考書等
佐藤鉄男ほか『民事手続法入門[第3版]』(有斐閣・2009年)
成績評価の方法・基準
期末におこなう到達度評価によります。
その他(質問・相談方法等)
随時、メールで質問を受け付けます。
過去の授業評価アンケート