履修条件 |
・政治と人間の問題を「歴史・思想・哲学」の視点から、深く、地道に考えてみたい方。サブゼミ希望者やオブザーバーも歓迎します。 |
授業の目的 |
・プラトンやアリストテレスをはじめとする過去の思想家のテクストは、見えにくい「時代の背中」を映し出す、歴史の知恵の宝庫です。本演習では、このような西洋政治学の「古典」や「名著」との対話を通じて、現代社会で「善き生」を営むために必要とされる、以下のような技能を磨くことを目的とします。
@「デモクラシー」「自由」「国家」「権力」「公共性」などの政治概念の系譜に関する学問的な知識と歴史的な洞察力 Aテクストの高度な読解能力、論理的な思考能力、論文作成能力などの、高年次に相応しい学問的な「型」や「わざ」。 B現代を生きる市民に必要とされる「教養」や「実践知」
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授業の概要・計画 |
【概要】 ・今年度は、「リベラル・デモクラシー」をテーマとして、その思想史的な淵源を明らかにします。現代社会において自明とされる「自由」や「民主主義」の理念も、その由来を尋ねると意外な「生い立ち」が見えてきます。
【計画】 ・昨年度の『アメリカのデモクラシー』に引き続き、前期は19世紀フランスの思想家トクヴィルの『旧体制と大革命』を読みます。後期は同時代のイギリスに目を向け、J・S・ミルの『自由論』や『代議制統治論』を取り上げる予定です。
【ゼミ論文その他】 ・この演習ではまた、1年間の集大成としてのゼミ論文の執筆が求められます。夏休み明けに構想発表、年度末に最終報告と原稿の提出が課せられます。サブゼミの方は、書評などのゼミ論以外の選択も可能です。 |
授業の進め方 |
・毎回テクストの範囲を決め、担当者の報告をもとに参加者全員で討論します。
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教科書・参考書等 |
【トクヴィル】 ・『アメリカのデモクラシー』全4冊、松本礼二訳、岩波文庫、2005, 2008 ・『旧体制と大革命』小山勉訳、ちくま学芸文庫、1998 ・『フランス二月革命の日々−トクヴィル回想録』岩波文庫、1988
【ミル】 ・『自由論』塩尻公明・木村健康訳、岩波文庫、1971 ・『代議制統治論』水田洋訳、岩波文庫、1997 ・『ミル自伝』朱牟田夏雄訳、岩波文庫、1960 ・『J・S・ミル初期著作集』全4巻、御茶の水書房、1979-1997
【参考書】 ・小山勉『トクヴィル−民主主義の三つの学校』ちくま学芸文庫、2006 ・宇野重規『トクヴィル−平等と不平等の理論家』講談社選書メチエ、2007年 ・宇野重規『デモクラシーを生きる−トクヴィルにおける政治の再発見』創文社、1998 ・河合秀和『トックヴィルを読む』岩波書店、2001 ・松本礼二『トクヴィル研究−家族・国家・宗教とデモクラシー』東大出版会、1991 ・関口正司『自由と陶冶−J・S・ミルとマス・デモクラシー』みすず書房、1989 ・山下重一『J・S・ミルの政治思想』木鐸社、1976
【その他】 ・岡崎晴輝・木村俊道編『はじめて学ぶ政治学−古典・名著への誘い』ミネルヴァ書房、2008 ・九州大学政治哲学リサーチコア編『名著から探るグローバル化時代の市民像』花書院、2007 ・古賀敬太編『政治概念の歴史的展開』全三巻、晃洋書房、2004-
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成績評価の方法・基準 |
@ゼミ論文(もしくは書評等)および、A通常のゼミに対する取り組み方(報告や討論への参加、ゼミ運営への貢献等)により総合的に評価します。 |
その他(質問・相談方法等) |
・政治学史(前期・展開)や政治理論入門(後期・基盤)、政治外国書講読(前後期)を併せて受講することが望まれます。 ・在室時は随時訪問可能です。なんでも、お気軽にご相談ください。 |
過去の授業評価アンケート |
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