履修条件 |
戦間期、特に世界大恐慌期における政治と経済について、一年間議論していけるほどの関心と熱意のある方。 |
授業の目的 |
本演習の目的は、以下の4点です。 1.政治史関係の学術論文の読み方を習得する。 2.政治史を解釈する際に必要な用語や概念を十分に理解し把握する。 3.自分の考えを的確にかつ論理的に相手に伝えるようになる。 4.ゼミ論文の執筆を通じて、調査能力と論文作成能力を育成・発展させる。 本演習では、特に4.のゼミ論文の作成に力を入れています。 以上です。 |
授業の概要・計画 |
2008年秋に勃発した世界金融危機を契機として、現在において世界大の金融不安・経済不況が進行中です。しかも日本では再びデフレ・スパイラルに陥りつつあります。1929年の世界大恐慌以来の危機とも言われています。そこで、本演習では、昨年度に引き続き、現在進行中の経済危機の行方を考える手がかりとして、戦間期、とりわけ世界大恐慌期における政治と経済について考察していきます。その際、世界大恐慌の勃発の要因やそれを克服するための各国の経済・金融政策について詳しく検討していく予定です。事例としては、アメリカ、日本、ドイツを取り上げる予定です。 また、本演習では、専門家による最新の経済分析の論文を読みながら、そこでの現状分析を踏まえながら、戦間期の経済・金融政策のあり方について再検討していきます。特に、当時の政策担当者に開かれていたと想定される危機克服のための政策的選択肢について考えていきます。具体的には、日本では、井上準之助蔵相の金解禁政策、ドイツではH.ブリューニング首相の経済政策を取り上げて、その是非について検討していく予定です。 以上を通じて、未だ出口の見えない経済危機の行方について、ゼミ生の皆と議論し、考えていきます。
【授業計画】 1.経済・金融危機の現状分析についての知識の習得 2.戦間期における政治史に関する基礎的知識の習得 3.戦間期における政治と経済に関する基礎的知識の習得 4.戦間期における経済・金融政策に関する専門知識の習得 5.ゼミ論文の構想発表会(後学期に2回開催予定) ゼミ論文合評会を兼ねたゼミ旅行(年度末) |
授業の進め方 |
毎回、報告者1名とコメンテーター1名を定めて、資料やテキストに関する報告者のコメントを中心に、参加者全員が議論していきます。 |
教科書・参考書等 |
・ジョン・K・ガルブレイス(村井章子訳)『大暴落 1929』日経BP社、2008年。 ・高橋亀吉・森垣淑『昭和金融恐慌史』講談社、1993年。 ・長幸男『石橋湛山の経済思想』東洋経済新報社、2009年。 ・雨宮昭彦『競争秩序のポリティクス』東京大学出版社、2005年。 ・熊野直樹・柴尾健一・山田良介・中島琢磨・北村厚・金哲『政治史への問い/政治史からの問い』法律文化社、2009年刊行予定。 |
成績評価の方法・基準 |
平素並びにゼミ論文。 夏休みには3年生にE・H・カー『歴史とは何か』の書評を課します。 |
その他(質問・相談方法等) |
本演習は、少人数をモットーとしており、定員は最大8名です。後期は、ゼミ論文の作成に力を入れて取り組むために、ゼミ論文構想発表会を2回予定しています。 年度末には、ゼミ旅行を行っています。年度末のゼミ旅行では、秘湯でゼミ論文の合評会も行います(08年度、熊本・植木温泉)。 |
過去の授業評価アンケート |
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