履修条件 |
特になし |
授業の目的 |
ここでいうナショナリズムは、国家体制に適合的な社会的風潮を指している。その意味では、戦後日本のナショナリズムは伝統的な天皇制支持・反社会主義/反共主義の他に、あきらかな親米感情を柱としている。第二次世界大戦で、東京大空襲から原爆投下にいたる住民の無差別殺戮をおこなったアメリカに、なぜ我々は親近感をもち、その反面で、旧ソ連が満州に侵攻したことをもって、ソ連にある種の嫌悪感をもったのだろうか。これを、戦後の中学歴史教科書を手がかりとして、考察する |
授業の概要・計画 |
@ナショナリズムの基礎理論を、B・アンダーソンとH・シートン=ワトソンによって理解したうえで、 A現在手元にある中学の歴史教科書を時代をおって、何種類か検討して、文部省の検定に合格した教科書が展開する歴史言説を抽出する。Bこのような歴史言説とわれわれの歴史感覚/国際感覚との異同を検討して、 Cわれわれはどのような国民なのか、というテーマを念頭においた、各自のゼミ論文を作成する。 |
授業の進め方 |
第一段階は、テキストの輪読とレクチャーで構成し、 第二段階は、各自で何種類かの教科書を分担して分析し、 第三段階では、各自の報告にもとづく集団討論を主とする
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教科書・参考書等 |
中学の教科書については、石田の手持ちのものを利用するので、各自で準備するものはない。 アンダーソンの『想像の共同体』(NTT出版)は各自で購入すること。 シートン=ワトソンについては、石田の方でコピーを準備する。 |
成績評価の方法・基準 |
出席状況と議論への参加の積極性、論文の完成度によって評価する。 |
その他(質問・相談方法等) |
質問・相談等は、事前に電話(642ー3197)で予約したうえで研究室に来訪すること |
過去の授業評価アンケート |
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