具体的にはルネサンスから現代までの法思想史の流れを、社会の近代化あるいは法化という視点から、主権化、自由化(法治化)、民主化、社会化という段階的に分け、それぞれの段階の課題に重要な法思想がどのように取り組んできて、今日にいたっているのかを考えます。ただそれぞれの段階はただたんに継起的に推移してきたのではなく、同じテーマが時代の進展につれて別の形で現れるという仕方で、重層的な姿をとりながら現れてきます。たとえば、最近の自由化の動きもそうです。そして現在はグローバル化という要因が前面に現れてきていることもあって、きわめて複雑な状況になっています。新たな段階にさしかかっているといえるかもしれません。このような現代社会と現代法を考えるための基礎と背景を学ぶというのがこの授業の狙いです。 |