履修条件 |
特になし |
授業の目的 |
経済のボーダーレス化に従い私人の国際的活動は増加の一途を辿り、それに伴い私人間の(或いは私人と国家間の)国際的法律関係に関する問題も多様化且つ複雑化しつつある。海外での交通事故、国際的な自動車の盗難、独占禁止法や通信法の域外適用また各国法規の抵触、国有化・収用措置や資産凍結措置の国際取引への介入、多国籍企業の複数国での大型倒産、アメリカ懲罰的損害賠償判決の我が国での執行の可否等、そういった問題の例としては枚挙に暇がない。また、このような財産関係事件に限らず、身分関係事件においても、離婚の国際裁判管轄、子供の引渡を命じた外国判決の我が国での執行の可否、国を跨った子供の奪い合い等、国際的紛争事例は夥しい。 このような複雑な国際的法律関係を規律する法律が抵触法(広義の国際私法)である。本講義では、外国法適用制度(準拠法選択規則)を中心に、その基本的知識を提供する。抵触法の基本的構造を理解すると共に、国際民事紛争に関する具体的イメージを持てるようになることが本講義の目的である。受講者には、教科書・参考書により各テーマについて予習を行うこと、及び、レジュメに挙げられた裁判例や参考文献を出来る限り読むことが期待される。
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授業の概要・計画 |
最初に抵触法の意義・歴史・構造について、次に外国国家行為承認制度及び国家裁判管轄について若干の説明をした上で、外国法適用制度について、とりわけ財産関係に力点をおいて順次説明する。 具体的な授業計画は以下の通り。
I.原論(第1−2回) 抵触法の存在意義、歴史、法源、全体的構造について説明する。
II.外国国家行為承認制度(第3−4回) 外国判決の承認・執行を中心に、承認の対象・要件・効果について説明する。
III.国際裁判管轄(第5−6回) 近時の立法も踏まえ、財産関係事件・身分関係事件のそれぞれについて説明する。また、国際的 訴訟競合、管轄合意、仲裁合意といった国際民事紛争固有の論点について紹介する。
IV.外国法適用制度(総論)(第7−9回) 外国法適用制度の性質・特徴を確認した上で、性質決定・送致範囲、外国抵触規則の考慮(反致)、 抵触法上の公序、強行的適用法規等の総論的問題について説明する。
V.外国法適用制度(各論)(第10−15回) 財産関係に関する準拠法につき、人・法人、契約、不法行為、物権・債権譲渡、知的財産権を中 心に説明する。
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授業の進め方 |
レジュメに沿って進める。 |
教科書・参考書等 |
[教科書] 以下のうちいずれかに基づいて各テーマの予習をすることが望ましい。 ・澤木敬郎=道垣内正人『国際私法入門(第6版)』(有斐閣・2006年) ・神前禎=早川吉尚=元永和彦『国際私法〔第2版〕』(有斐閣・2006年)
[参考図書] ・道垣内正人『ポイント国際私法総論 第2版』及び『各論』(有斐閣・2007年,2001年) ・櫻田嘉章=道垣内正人編『国際私法判例百選〔新法対応増補版〕』(ジュリスト別冊・2007年) ・石黒一憲『国際私法 第2版』(新世社・2007年) ・『法の適用に関する通則法関係資料と解説』(2006年・別冊NBL110号) ・小出邦夫『一問一答新しい国際私法 法の適用に関する通則法の解説』(商事法務・2006年) ・神前禎『解説 法の適用に関する通則法』(弘文堂・2006年) ・澤木敬郎=秋場準一編『国際私法の争点(新版)』(ジュリスト増刊・1996年) ・木棚照一=松岡博編『基本法コンメンタール国際私法』(日本評論社・1994年)
その他の参考文献は初回に指示する。
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成績評価の方法・基準 |
成績評価はレポートによる。 |
その他(質問・相談方法等) |
本講義の内容に関する質問はE-mailで受け付ける(daiyoko[アットマーク]law.nagoya-u.ac.jp)。 ※[アットマーク]は@に変えてください。
講義日程:8/29(月)〜9/2(金)2限〜4限 |
過去の授業評価アンケート |
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