民事訴訟制度の基礎について、判例・学説を検討しながら学びます。 民訴法学では、素朴な正義感覚での判断より、専門的・技術的な概念操作や抽象的な理論体系の整合性などが重視されるような、難解で取っつきにくい印象があるようで、それもあながち間違っていないと思います。しかし、そのことは裏を返せば、民訴法学では一足飛びな価値判断や結論の先取りを行わず、論理の飛躍がないように一歩一歩着実な推論を重ねる作業が特に重んじられる、ということにもなりそうです。また、技術的な理論体系の背後にある基礎理論には、手続法と実体法・社会紛争との関係をどう考えるか、手続において経過する時間をどう把握するべきかなど、多くの興味深い問題が未解決のまま残されていると思われます。 そういった点について、基礎から着実に考えを重ねて行くことを目的にします。 |